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  1. 千代田区議会 1990-11-15
    平成2年第4回定例会(第1日) 本文 開催日: 1990-11-15


    取得元: 千代田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-02
    千代田区議会議事録 トップページ 詳細検索 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成2年第4回定例会(第1日) 本文 1990-11-15 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 41 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長水野正雄君) 選択 2 : ◯議長水野正雄君) 選択 3 : ◯区長木村茂君) 選択 4 : ◯議長水野正雄君) 選択 5 : ◯副議長(菅沢林君) 選択 6 : ◯二十八番(水野正雄君) 選択 7 : ◯副議長(菅沢林君) 選択 8 : ◯三十二番(水野浦治郎君) 選択 9 : ◯副議長(菅沢林君) 選択 10 : ◯議長水野正雄君) 選択 11 : ◯二十四番(鎌倉つとむ君) 選択 12 : ◯区長木村茂君) 選択 13 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 14 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 15 : ◯教育長井澤一弘君) 選択 16 : ◯議長水野正雄君) 選択 17 : ◯議長水野正雄君) 選択 18 : ◯二十七番(福山和夫君) 選択 19 : ◯区長木村茂君) 選択 20 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 21 : ◯総務部長小藪俊雄君) 選択 22 : ◯福祉部長八田和之君) 選択 23 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 24 : ◯教育長井澤一弘君) 選択 25 : ◯二十七番(福山和夫君) 選択 26 : ◯区長木村茂君) 選択 27 : ◯福祉部長八田和之君) 選択 28 : ◯教育長井澤一弘君) 選択 29 : ◯議長水野正雄君) 選択 30 : ◯議長水野正雄君) 選択 31 : ◯八番(山田ながひで君) 選択 32 : ◯区長木村茂君) 選択 33 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 34 : ◯議長水野正雄君) 選択 35 : ◯十八番(中村つねお君) 選択 36 : ◯区長木村茂君) 選択 37 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 38 : ◯十八番(中村つねお君) 選択 39 : ◯区長木村茂君) 選択 40 : ◯議長水野正雄君) 選択 41 : ◯議長水野正雄君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 1990-11-15:平成2年 第4回定例会(第1日目)本文 842号    午後一時三分開会 ◯議長水野正雄君) ただいまから平成二年第四回東京都千代田区議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名員を定めます。  会議規則第百十七条の規定に基づきまして議長よりご指名申し上げます。        七番 山田ゆうじろう君        八番 山田ながひで君 にお願いいたします。  会期についてお諮りいたします。今次定例会の会期は本十五日より十二月四日までの二十日間といたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 2: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、木村区長より議会招集のあいさつを求めます。    〔区長木村茂君登壇〕 3: ◯区長木村茂君) 平成二年第四回区議会定例会の開会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。  初めに、天皇陛下におかれましては、去る十一月十二日、菊花薫よき日に即位の礼をとり行われ、皇位を継承されましたことは、区民ひとしく慶賀にたえないところであります。すべての区民とともに謹んで慶祝の意を表したいと存じます。  本区には皇居が存し、これまでにも区立学校の周年行事等において皇室のご臨席を賜るなどとりわけ皇室とは深い親しみ覚えております。このたびのご即位を機に、日本国憲法に基づく日本国及び日本国民統合の象徴としてご繁栄されますことを心からお祈り申し上げたいと存じます。  次に、このたび叙勲の栄に浴されました水野浦治郎議員に対し、心からお喜びを申し上げます。  水野浦治郎議員には、十九年有余の長きにわたり千代田区議会議員としてご活躍され、この間議長職を初め各委員会の正副委員長など数多くの要職を歴任し、本区発展のため多大なご尽力をされ、地方自治の振興に寄与されたご功績により、勲五等双光旭日章受章の栄誉に輝かれました。このたびの栄えあるご受章をお祝い申し上げますとともに、今後ともご健康にご留意され、ますますご活躍されますようご期待申し上げます。  さて、内外の政治経済情勢に目を転じてみますと、イラクによるクウェート侵攻に端を発した中東湾岸危機は、世界主要国の懸命な外交努力と、国連を中心とした平和維持活動にもかかわらず、いまだに解決への糸口が見出せず、いわゆる多国籍軍との間で極めて危険な情勢が続いております。
     こうした情勢の中で、イラクによる人質の部分的解放が行われつつありますが、既に三ケ月にも及んで多くの民間人が自由を束縛されておる状況は断じて容認することはできず、このような非人道的な行為は即時に中止されなければなりません。世界の平和と繁栄に逆行するこの紛争の一日も早い解決が強く望まれるところであり、国連の場での人道的な話し合い、交渉等による平和的解決を強く願うものであります。  また、ヤルタ体制の終えん、ドイツ統一、そして、EC統合など国際情勢が激変し、新たな国際秩序が模索されている中で、我が国が国際社会の主要国の一員として、平和憲法の理念のもとで、世界にいかに貢献していくかが大きな課題となっております。この貢献策につきましては、今後、各界各層を通じての幅広い論議が求められております。  一方、我が国経済の動向は、引き続き景気の拡大が続いておりますが、中東情勢に起因する原油価格の上昇、労働力不足など懸念される材料もあり、今後の動向は不透明感が増しております。特に中東情勢の不安定化は、とりわけこの地域に原油輸入の七割以上を依存している我が国にとって深刻な影響を及ぼしつつあります。  同時に、国民生活の持続的安定を図るためには、物価の安定が不可欠であり、便乗値上げの防止、石油の安定供給の確保、代替エネルギーの開発等国の積極的な施策の展開が望まれております。これら我が国経済の動向は、今後の区政運営においても十分念頭に置く必要があると考えます。  さて、区政を取り巻く諸情勢は、依然として業務機能の集中が著しく、それに伴う地価の高騰が、居住機能をはじめ、区民の生活環境を悪化させ、区政に深刻な影響を及ぼしております。  また、夜間人口は依然として減少の一途をたどり、区の存立を揺るがしかねない極めて憂慮すべき事態となっており、区政に対する区民の期待はますます大きく、時代の変化に即応した対応が一日たりともゆるがせにできない状況にあります。したがいまして、私に課せられました喫緊の課題は、夜間人口の減少に歯どめをかけ、このかけがえのない千代田区を、人の住むまち住めるまちに再生していくことが、中長期にかかる最大の課題であると強く認識しておるところであります。  このため、今後の区政運営においては、すべての施策がこの一点に集中し、計画、実施されることが緊要であると存じます。その意味において、新長期総合計画の策定は、千代田区の将来を左右する重要な位置づけとなるものと考えます。  このような認識を踏まえ、私は、これまで内外に示してまいりました千代田区街づくり方針や、教育と文化のまち千代田区宣言の理念と諸施策を実現するとともに、現在、鋭意検討を進めております公共施設適正配置に関する考え方、あるいは商工振興方針、さらには住宅基本計画の具体化などを盛り込む新たな長期総合計画の策定に取り組んでおるところであります。去る十月一日付でこれに必要な要綱を制定し、内部検討組織としての策定委員会と、職員によるプロジェクトチームを発足させ、その具体的取り組みをスタートさせたところであります。私は、このすばらしい千代田区を次の世代へ引き継ぐために、現基本構想の理念を継承し、区民が安心して住み続けられるまちの実現を目指し、新しい行政需要に即した行政計画を策定してまいる決意であります。  また、本区のこれら諸計画策定、あるいは諸施策推進の基盤ともなる特別区制度改革についてでありますが、先般、第二十二次地方制度調査会において、都区制度に関する答申が出されたことはご案内のとおりであります。答申の基本的考え方の中で、制度改革に当たって、都心地域の特別区の再編の必要性を打ち出しておる点につきましては、私といたしましては重大な関心を持たざるを得ません。しかしながら、大幅な事務の移譲や、都区財政調整制度の改革、廃置分合及び境界変更の発案権を特別区が持つに至ったことは、自主性、自律性を強化することにもつながり、大いに評価するものであります。この答申に沿った制度改革が実現すれば、特別区は東京都の内部団体的性格を払拭し、基礎的自治体として明確に位置づけられ、都区合意にほぼ沿った形で改革がなされ、今まで以上に区民サービスの向上が図れるものと確信いたしております。  また、この答申が出されたことに伴い、去る十一月二日、日比谷公会堂において、この答申に沿った関係法令の改正等を国に要望するため、特別区長会、特別区議会議長会主催による「新しい東京二十三区を実現する集い」が開催されました。この中で、区民、議会、行政のすべての力を結集して、さらに強力な運動を進めていくという大会決議がなされました。また、特別区長会、特別区議会議長会の合同会議において、特別区制度改革推進大綱が決定され、この大綱に基づいて、特別区長会のもとに、特別区制度改革推進協議会を、都区協議会のもとに、都区制度改革推進委員会が設置され、推進体制の強化が図られました。今後も、国、都、関係機関との連携と調整を図りながら、制度改革の一日も早い実現に向けて努力してまいる所存でございます。何とぞ区議会の皆様におかれましても、絶大なるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。  さて、この際、長期総合計画策定とも重要なかかわりのある当面する諸課題について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。  初めに、実施三カ年計画のローリング及び平成三年度予算編成方針についてでありますが、今回策定する実施計画に当たりましては、区政の継続性と行政の計画性の維持及び区民福祉の総合的な向上を図っていく観点から、平成五年度までの三カ年計画として、新長期総合計画への橋渡しをする役割を果すものと考えております。したがいまして、策定に当たりましては、改定基本計画の課題達成に向け、施策の具現化を図っていくと同時に、特に急務となっている定住対策の推進はもとより、高齢者福祉対策など直ちに取り組むべき重要な施策について検討を急ぎ、積極的に対応するものとし、新規の事業についても施策の具体化に向け、区民の期待にこたえられるよう取り組んでいく所存でございます。  また、平成三年度予算編成に当たっては、実施三カ年計画をその指針とするとともに、現在の区政を取り巻く諸情勢を十分勘案し、区民福祉の総合的向上を図る視点に立って編成する考えでございます。  次に、住宅施策に関してでございますが、千代田区街づくり方針の示す都市像の一つである、多様な人々が住み活動する生活都心を具現化するため住宅の供給及び住環境整備の方策について調査検討するため、本年五月に、千代田区住宅基本計画策定委員会を設置したところであります。これまで六回の委員会と二回の部会を開催し、本区の住宅事情の現状分析、問題点、課題の整理並びに住宅供給の方針など施策の基本的事項について活発な議論が展開されております。  このたび、十一月六日に、本区における厳しい土地、住宅事情の現状にかんがみ、現に、千代田区からの転出を余儀なくされ、居住継続の困難となった区民が続出しているといった緊急事態に即応する必要があるため、早急に取り組むべき住宅施策についてご報告をいただきました。そこに盛られた区民住宅供給促進制度、区立住宅整備の推進、住宅資金融資あっせん制度の拡充など五つの事項のご提言につきましては、その趣旨を十分踏まえ、速やかに詳細なる検討を加え、実施可能なものから施策化を図るよう努めてまいる所存であります。  なお、引き続き最終素案の策定につきまして、できるだけ早期にご報告いただけるよう策定委員会にご協力を賜り、実効性ある施策の推進に鋭意努めてまいります。  次に、国際化施策についてであります。  国政、自治体行政を問わず、進展する国際化に対して、世界的、地球的な視野をもって新たな認識で対応していくことが求められております。本区における国際化施策の総合的推進については、本年二月以降、国際化施策検討委員会において鋭意検討を進めておるところであります。  また、さきの委員会の中間の取りまとめにおいては、多様な施策を総合的な観点から、その重要性、緊急性、優先性などを検討し、実施可能なものから積極的に取り組んでいくことが示されております、既にその中で提示された国際交流アドバイザーの採用、外国人と区長との懇談会につきましては、それぞれ十月中に実施いたしました。国際交流アドバイザーにつきましては、外国人としての区政への多面的アドバイスをいただいておるところであります。十月三十日の懇談会には、九カ国九人の外国人の方から、日本語学習の問題、区政情報などの伝達の問題などについて率直なご意見を賜りました。今後も区政への貴重なご提言として十分にその趣旨を踏まえて取り組んでまいりたいと考えております。  また、本年度の外国都市とのふれあい交流に向けての基礎調査につきましては、近隣アジアの都市の中から、歴史的に見て日本の社会、文化に最もかかわりの深い中国の大都市を調査対象とすることといたしました。十二月七日から十六日まで、北京、上海を中心に、それぞれの都市の行政運営、地域の実態や国際交流の実情などを調査する予定であります。次年度以降も、国際都市千代田区の特性を踏まえ、すべての行政施策の中に国際化の視点を設定し、行政施策の総合化を図ってまいる所存であります。  次に、一番町総合公共施設の用地について申し上げます。  高齢者サービス施設を中心とした総合公共施設の建設につきましては、現在、さきに策定いたしました建設基本構想に基づき、基本計画を着々と進め、早期実現に向けて鋭意取り組んでおるところであります。この施設の建設予定地であります旧国鉄総裁公館跡地の用地取得につきましては、区議会の皆様を初め関係者各位のご理解とご協力によりまして、本区が取得できることになり、第二回定例区議会におきまして、この用地購入費を予算計上いたしたところであります。以来、国鉄清算事業団と精力的かつ粘り強い交渉を続けてまいりました結果、このほどその見通しがつきましたので、補正予算を計上し、年内の契約締結を目指すことといたしました。今後、本用地の取得とともに、建設計画を急ぎ、区民の待望する施設を一日も早く実現させるため、全力を挙げて取り組んでまいる決意でございますので、ご理解とご支援をお願い申し上げます。  次に、(仮称)昌平橋会館の設置についてでありますが、区民を取り巻く生活環境は、地元で葬儀を行うことがますます難しい情勢になっておるところから、早期設置に対する区民の要求は極めて強いものがあります。区といたしましても、街づくり方針が掲げる生活都心づくりに必要不可欠な施設であると強く認識しておるところであり、設置に理解を得られない方々とは精力的に話し合いを続けてきたところであります。  (仮称)昌平橋会館は、地域に好感を持って受け入れられる施設づくりが必要でありますので、地域の実情を勘案し、名称、施設、管理運営に十分配慮するとともに、地域住民、団体等が利用できる地域サービス機能を備えた施設としてまいりたいと考えております。地元とは引き続き誠意をもって話し合いを続けてまいりますが、計画発表以来既に三年目に入っておることをも踏まえ、具体的設置に向けて推進してまいりたいと考えておりますので、区議会におかれましても各段のご理解とご協力をお願いいたします。  次に、千代田区商工振興方針についてでありますが、本年三月に商工振興懇談会から最終報告をご提出いただき、その後、区議会、商工振興懇談会及び庁内関係課長会における検討を通じて素案づくりを進めてまいりました。  同方針は、二十一世紀を展望した本区商工振興の基本的方向を明らかにするもので、方針策定の目的は、千代田区街づくり方針が掲げる活気とにぎわいのある商業都心の具現化であり、その基本はまちづくりと整合性を図りつつ、商工業の活性化の推進、活気とにぎわいの創出及び働きやすい都市の形成を目指し、住民、企業、行政が三位一体となって商工業の振興に取り組んでいこうとするものであります。このたび、その素案がまとまりましたので、今後、区議会を初め関係各位の十分なご論議をいだき成案を得たいと考えております。  以上、当面する区政の諸課題について私の所信の一端を申し述べましたが、区議会の皆様におかれましても、何とぞご理解とご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。  さて、今回ご提案いたしました諸議案についてご説明申し上げます。  まず、平成二年度東京千代田区一般会計補正予算第二号についてでありますが、緊急かつ必要な事項に絞り、各経費を計上いたしました。  初めに、六月補正予算で一番町総合公共施設の用地取得費を計上いたしましたが、その後の国鉄清算事業団との価格交渉の経過を踏まえ、用地取得費を追加計上するとともに、一括支払いに伴う一時借入金利子を計上いたしました。  次に、かねてから交渉しておりました愛知県物産情報東京センター跡地を、まちづくり関連施設用地として購入する見通しがつきましたので、用地取得経費を計上いたしました。  次に、所得税更正に伴う住民税の過誤納還付金が発生し、当初予算で計上した経費を超過いたしますので、そのために必要な経費を計上いたしました。  次に、区内に設置されました心身障害者(児)通所訓練施設に対しまして、新たに運営費補助をすることとし、そのために必要な経費を計上いたしました。  次に、東京都から四番町アパート及び神保町住宅の区移管に伴い、そのために必要な管理経費を計上いたしました。  これからの財源につきましては、特別区税、特別区交付金、使用料及び手数料、繰入金並びに諸収入に求めております。この結果、今回の補正額は、歳入歳出とも三十七億五千五百九十一万円となり、本年度の一般会計予算の総額は七百十三億九千六百四十九万五千円となりました。  このほか、春の千代田まつりの弾力的な運営を図るため、債務負担行為二件を追加するものであります。  次に、平成元年度東京都千代田区各会計歳入歳出決算の認定についてであります。  平成元年度においても、地方財政を取り巻く環境は引き続き厳しいものがありましたが、本区におきましては、自主的、計画的な行財政運営に心がけ、内部努力や財源の効率的配分に徹するなど健全財政の維持に努めてまいりました。特に、将来の具体的施策の財源確保を先行的に行うため、区民福祉厚生基金に重点積み立てを行うなど計画的な財政運営に意を用いてまいりました。  また、各施策の実施に当たりましては、千代田区街づくり方針を基軸として実施計画事業を中心に、区民福祉の総合的向上に努力してまいりました。今後とも堅実で効率的な行財政の運営を図ってまいる所存であります。  次に、東京千代田区議会議員及び区長の選挙におけるポスター掲示場の設置に関する条例であります。本案は、東京千代田区議会議員及び区長の選挙における選挙運動用ポスター掲示場を、公職選挙法第百四十四条の二第八項の規定に基づき設置するため、新たに条例を制定するものであります。  次に、東京千代田区営住宅条例の一部を改正する条例であります。本案は、四番町アパート及び神保町住宅を区営住宅として追加設置するとともに、規定を整備するものであります。  次に、東京千代田区都市計画審議会条例の一部を改正する条例であります。本案は、本区都市計画審議会の委員を増員するほか、委員の任期を改定するものであります。  次に、東京都千代田区公衆便所設置及び管理条例の一部を改正する条例であります。本案は、公衆便所の設置に伴い、その名称及び所在地を規定するものであります。  次に、公有財産の譲与についてであります。本案は、四番町アパート及び神保町住宅の土地及び建物が東京都から譲与されることになりましたので、地方自治法第九十六条第一項第九号の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。  次に、特別区道の路線の認定及び廃止についてであります。本案は、本区特別区道の路線の認定及び廃止をいたしたいので、道路法第八条第二項及び第十条第三項の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。  何とぞ諸議案につきましては、慎重ご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願いを申し上げます。  以上をもちまして、平成二年第四回区議会定例会の開会のごあいさつといたします。(拍手) 4: ◯議長水野正雄君) ご報告申し上げます。先ほどの区長のあいさつの中にもありましたように、水野浦治郎君には、平成二年秋の叙勲において、長年地方自治の進展に寄与された功績により、十一月三日付にて勲五等双光旭日賞を受章されました。  ご報告終わります。  この際、議会を代表して私がお祝いの言葉を述べますので、菅沢林副議長と議長席を交代いたします。    〔議長退席、副議長着席〕 5: ◯副議長(菅沢林君) 暫時私が議長の職務を執行いたします。  二十八番水野正雄君。    〔水野正雄君登壇〕 6: ◯二十八番(水野正雄君) 千代田区議会を代表してお祝いの言葉を申し上げます。  去る十一月三日、秋の叙勲で水野浦治郎君には、多年にわたり地方自治の発展に寄与された功績によりまして、勲五等双光旭日章を受章されました。まことにご同慶の至りと、衷心よりお喜びを申し上げます。このことは、水野君ご自身の名誉であるとともに、議席を同じくする私どもにとりましても誇りとするところでございます。  水野君は、謹厳円満の資をもって、昭和四十六年衆望を担って千代田区議会議員に当選され、以来、連続五期十九年有余にわたり、その豊かな経験と手腕を遺憾なく発揮して、区政の中枢に参画され、この間、第三十八代、第四十一代議長並びに監査委員の重職を、また、企画総務委員会を初めとする常任委員会委員長、予算並びに決算特別委員会を初めとする特別委員会委員長などの要職を歴任し、地方自治の育成、発展に寄与されたご功績は極めて大であり、今回の叙勲の栄に浴されたものと思います。  どうか今後とも健康にご留意され、千代田区発展のため、さらには地方自治の発展のため、ますますのご活躍をご期待申し上げますとともに、限りなきご多幸とご繁栄を祈念してお祝いの言葉といたします。(拍手) 7: ◯副議長(菅沢林君) 水野浦治郎君から謝辞があります。    〔水野浦治郎君登壇〕 8: ◯三十二番(水野浦治郎君) 一言お礼のごあいさつを申し上げます。  このたび、はからずも地方自治功労のゆえをもって、勲五等双光旭日章の栄に浴しましたことは、私にとりまして無上の光栄でございます。また、ただいま区長並びに議長から過分のお祝いの言葉を賜り、ただ、ただ感激のほかありません。  不肖私は、昭和四十六年五月千代田区議会議員に初当選以来、連続五期にわたり議員として千代田区政に参画し、特に昭和五十四年並びに五十七年の二回にわたり、皆様のご推挙をいただきまして、議長を大過なく務めさせていただきました。今日まで、浅学非才の私を、事あるごとに励ましていただきました先輩各議員、同僚議員、そして理事者の皆様方にもいろいろご厚情を賜りましたことを深く感謝いたすものでございます。  私は、江戸の昔から長い歴史を、そしてまた文化に囲まれてこの千代田区が、首都東京の中心として限りなく繁栄し続け、老いも若きもいきいきとした幸せな、そして、よりよい暮らしのできるまちづくりを目指して、微力ながら努力をしてまいりました。今回の叙勲の栄を肝に銘じ、今後とも一層地方自治発展のため研さんと精進を続けてまいる所存でございます。  何とぞ各位におかれましては、今後とも変わらぬご交誼、ご鞭撻、ご指導を賜りますようお願い申し上げ甚だ簡単でございますが、心からお礼を申し上げ、謝辞といたします。本当にありがとうございました。(拍手) 9: ◯副議長(菅沢林君) 水野正雄議長と議長席を交代いたします。    〔副議長退席、議長着席〕 10: ◯議長水野正雄君) これより、各会派の代表質問に入ります。  初めに、自由民主党議員団を代表して、二十四番鎌倉つとむ君。    〔鎌倉つとむ君登壇〕 11: ◯二十四番(鎌倉つとむ君) 平成二年第四回定例会に当たりまして、自由民主党議員団を代表して、区長並びに関係理事者に質問をさせていただきますが、冒頭、この場をかりまして、皇居の地元議会の自由民主党議員団として、天皇陛下に祝賀の意を表するものであります。  天皇陛下には、去る十一月十二日即位の礼を挙行され、日本国民の統合の象徴としての皇位継承を内外に宣明されたことは、千代田区民のひとしく喜びとするところであります。平成の御代が太平の代として栄え、世界の平和と繁栄に寄与する時代となることを祈念すると同時に、皇室を親しき隣人として敬愛している千代田区民との友誼がこれまでと同様に濃やかなものであることを切に願うものであります。自由民主党議員団は、ここに区民の至情を代表し、謹しんで慶祝の誠を表します。  即位礼正殿の儀におけるお言葉のごとく、平成の時代にふさわしい象徴天皇としてますますの御壮健を祈念したいと存じます。即位の礼に関しましては、警備に当たられた関係者の労をねぎらいたいと思います。  また、このたび水野浦治郎議員には勲五等双光旭日章を受章されたわけでありますが、区長、議長のごあいさつと同様の気持ちで、同僚議員として心からお祝いを申し上げます。  さて、世界の動きはだれもが予想だにしなかった展開を見せております。米ソの緊張緩和に始まり、ゴルバチョフ・ソ連大統領のペレストロイカ政策は、ちょうど一年前、ベルリンの壁に穴をあけさせました。そして、ことしの十月三日には東ドイツが西ドイツに吸収、合併されるということになったのであります。  さらに、最近の新聞報道によりますと、ソ連の近い将来の国家形態、体制を規定した新連邦条約草案が明らかにされ、その内容は、新国名を現在の名称からソビエトと社会主義を削った主権共和国連邦とし、三権分立の民主主義の体制の明確化、副大統領制の導入などをうたっております。  このような、ソ連、東欧における社会主義体制から資本主義体制、あるいは市場経済への移行は私たちも大いに歓迎するものでありますが、一方では、この間隙を縫うかのように、去る八月二日、イラクが武力をもってクウェートを侵攻、併合するという暴挙を行ったのであります。その後、この中東湾岸危機に対処するために、日本の国会では国連平和協力法案が審議され、結果として廃案となりましたが、この間の議論は、主に集団自衛権の有無、自衛隊派遣の合法、違法及び合意、違憲論などの法律論と、平和主義を守れ、あるいは応分の貢献をせよという道義論でありました。  現在の日本経済を支える石油輸入量の七割を中東に依存する現状を考えるときに、我が国は湾岸危機のいわば当事者であり、独立主権の日本国憲法の観点からも、これを座視するわけにはいかないのであります。日本の置かれた国際関係の中で、クウェートの主権回復のために協力をしなければ、日本の存立基盤が揺るがされることになるのであり、これを防ぐためにも、国と国民にコストとリスクが伴う事実も認めなければなりません。その見地から、紛争の解決と秩序の回復という目的意識においては、一国平和主義ではなく、多くの拘束条件のもとでの現実的な政治的リアリズムではないでしょうか。  その主な内容は、国連の平和維持活動を行う具体的な政策、法律、行動であります。しかし、軍を否定しておらず、平和協力は軍によるというのが常識の国連と憲法との整合性も重要であります。  冷戦後の世界では、武力紛争が全面戦争へとエスカレートする危険が小さくなり、その分だけ地域的な武力紛争が勃発しやすくなっており、仮に中東危機が収拾されても、なお同様の事態は予想されるものであります。したがって、危機管理のあり方を含めて、世界平和の維持政策を、国会が党利党略ではなく、与野党一致してつくり上げるよう要望したいと思います。  翻って、我が千代田区に目を転じますと、まさに危機的状況であります。十月一日に国勢調査が行われ、十二月中旬にはその結果が速報値として公表されるわけでありますが、この五年間の推移を見るときに、その数字は前回の五万を大きく割り込み、四万に近い四万人台、あるいはそれを下回る数字が予想されるものであります。  都市は資本の集積によって形成され、それは、その地における経済活動の度合によって異なるものでありますが、同時に住む人々の手によって都市がつくられ、成り立ってきたのが、世界においても日本においても歴史的な事実であり、これからも住む人々を中心にして維持していかなければ、都市は存立し得ないのであります。  しかし、事態は異常であり、区の現在は非常事態にあると言えるのではないでしょうか。札束舞って人が散るというような、地上げによる住民の追い出しという動きが、経済活動とリンクして千代田区の業務地化をもたらし、人口減少と地域コミュニティの弱化という結果を招いたことに、自民党議員団としても責任を感じるのであります。  また、人口の減少は次のような心配を生じせしめるのであります。前回の都議選に当たって、合区という形で千代田区選出の議席の消滅という問題が提起されましたが、各方面の努力と都議会関係者の認識とご理解によって従来の議席が確保されたのであります。国勢調査の数値の公表の後には、次回の都議選ではこの問題が再び日程に上がることは自然予想され、仮に合区という事態になれば、将来、区の隣接区との合併、合区につながることにもなりかねません。  地方制度調査会から九月二十日に出された都区制度改革に関する答申には、「特別区の配置分合、または境界変更については一般の市と同じ制度を適用するものとする」という権限の委譲措置が述べられているとはいえ、一方では「特区制度の改革を行う際には、特に人口減少等の著しい都市地域の特別区の再編を初め周辺地区もあわせて特別区の区域の見直しを行う必要がある」と基本的な考え方が示されております。地方自治法改正の成り行きや国の動向によっては、千代田区はなくなってしまうという危惧が生ずるものであります。  さらに、都庁の移転によって、残念ながら来年の四月には千代田区は都庁所在地、いわゆる県庁所在地ではなくなるという事実に追い打ちをかけるかのように、臨時国会において衆参両院は国会移転決議を行いました。このことは、国、首都の中心としてのシンボルをも奪い取るものであり、私たちは反対をしていきたいと思っています。  以上触れたような現状と将来を考えるときに、今千代田区にとって危急存亡のときと言わずして何と表現すればいいのでしょうか。  区政を担当する理事者の皆さんも、街づくり方針の策定を初め懸命に区政に取り組んでこられたことは承知をいたしております。区議会においても、党派を超えて知恵を出し合ってまいりました。これまでの区の政策が間違っていたわけではありませんし、個々の政策は区民の皆さんに喜ばれているのであります。しかし現状はということであります。  そこで区長にお伺いをしたいと思います。  区長は、以前は長年にわたり都議会議員という立場で、区政を含めて千代田区を見詰めて、あるいはパイプ役としても仕事をしてこられました。そして、区長に就任してもうすぐ任期の折り返し点を迎えられようとしております。もう二年というのでしょうか、まだ二年というのでしょうか、この間の仕事と経験を踏まえて、区長は現状をどのように受けとめられ、理事者の皆さんの努力が結果として人口減少の歯どめに有効性を発揮し得ていない原因を、主にどこに求められているのかお聞かせいただきたいと存じます。  また、現状を踏まえて、区長があらゆる政策の目標を、人口五万の確保に集約して取り組むとも言うべき宣言ないし決意の表を、例えば、区のお知らせなどを通じて、あるいはさまざまな機会をとらえて区の内外に明らかにするなど区民、企業や都、国に対して一層の協力を求める行動をとられることを提案をしたいと思います。もちろん、その中身には具体的方向性を持たなければならないと思います。  さらに、あるべき千代田はどういうものか、そのために何をなすべきかということについて、政策と実行に関する総合調整者としての区長の一層の強力なリーダーシップが求められていると思います。かの、ケネディ元アメリカ大統領は、国民に向かって、「諸君の国家が諸君のために何をなし得るかを問いたもうな、諸君が諸君の国家に何をなし得るかを問いたまえ」と協力を訴え、一方では、「私は責任をもって物事を行い、うまくいかなかったときには一身にその責任を引き受ける大統領になりたい」と語っております。彼は志半ばで凶弾に倒れましたが、組織のトップ、政治家にとって示唆的なフレーズではないでしょうか。そして、石橋をたたいてわたることも大事でしょうが、今は決断と実行という姿勢が求められているように思われてなりません。トップの的確な情報判断に基づく指示に対して、組織が機動的に動かなければ仕事は成功しません。その意味で、千代田区の組織はどうでしょうか。それぞれの部、課のセクショナリズムはないでしょうか。理事者の皆さん一人一人に抱えている仕事が多過ぎるということはないでしょうか。これからは、企業や地域、都、各省庁などと交渉事がさらにふえるのではないでしょうか。まちづくりに関するあらゆる仕事、施策を統括する部署、仮称まちづくり推進室ともいうべき区長、助役を補佐する組織があってもよいかもしれません。区長の強力なリーダーシップと現在の部、課の体制で事足りるということであれば、私どももそれを見守っていきたいと思います。  次に、区立学校の適正配置と跡地活用について質問をさせていただきます。  教育委員会が昭和六十二年八月、教育条件検討会から、児童生徒数の減少にいかに対応するか、学校を取り巻く地域の変化、新しい時代の流れに適切に対応した教育をどう展開していくかについて、これらの状況に対応するための施策の基本的方向について、広い視野からの検討を求めた報告を受けたことは周知のとおりであります。この報告は、学校の小規模化により、教育水準の維持が危ぶまれる状態にあることを認識した上で、二十一世紀に向けた新しい時代に適応した教育を展開する必要性を指摘しております。  この中で、国際化、情報化への対応、生涯学習社会への対応並びに望ましい学校施設の整備の三つの課題と、また、これらの三つの課題を適切に推進する上からも、さらには区立学校の適正規模を確保するためにも、就学人口に応じた学校数の見直しによる適正配置を必要としているのであります。  教育委員会は、この報告を受けて、学校の適正配置の問題は区民生活に大きな影響があり、地域社会の発展にかかわる重要な問題と認識し、また、これらの施策の推進に当たっては、今後の千代田区におけるまちづくりとの関連を抜きに考えることはできず、千代田区の二十一世紀を展望した都市像を踏まえ、学校機能そのものにも留意した、都心にふさわしい時代に適応した学校の整備に取り組むということが基本的な立場であると理解をいたしております。  そして報告では、区立学校の適正規模の確保と適正配置について、学校数を、麹町地域では小学校五校、中学校を二校、神田地域では小学校九校を四ないし五校、中学校を二校ないし三校が必要としております。教育委員会はこの考え方をもとにして、昭和六十三年七月の時点で、神田地域については小学校を五校とし、中学校については小学校の適正配置の推進に状況を勘案しつつ、引き続き検討する。麹町地域については、報告の趣旨を尊重しつつも、個々の学校事情等を踏まえ、さらに検討を加えるものとするという見解を明らかにいたしております。  先ほど触れましたように、今日の人口減少は加速度的であり、実態も就学人口の予測についても、検討時からは異なっていると思われます。私どもは、人口が減少し続けることを前提にするものではなく、人口を回復することを目標とすることは言うまでもありませんが、現況では、学校数について麹町地域、神田地域を問わず修正せざるを得ないのではないかと考えますか、現時点での教育委員会の見解を、同時に、とりわけ小学校における児童の学力だけではなく、教育水準の維持、向上の問題点についてお考えを伺いたいと存じます。  さて、街づくり方針と教育条件整備の検討に関する報告を受けて、公共施設適正配置懇談会が設置され、一応、区の構想案をたたき台に、千代田区における公共施設のあり方とその適正配置について現在検討されております。正副会長を初め委員、事務局の皆さんのご努力に敬意を表するものでありますが、いまだ中間報告も出されておりません。それだけ議論が沸騰しているのでありましょう。この際、基本的な点についてお伺いをしたいと思います。  街づくり方針は、住民、企業、行政の三位一体によるまちづくりを提唱しているわけでありますし、現に、これまでも行政の対象として、昼間人口を含めて施策の展開を図ってまいりました。したがって、施策のあり方に関しては、企業や勤労者にも寄与すべきは当然と思いますが、このような視点は、今どのようになっているのでしょうか。そして、現状は、構想案にとらわれ過ぎ、公共施設の考え方、公共用地の有効性について一般的に否定はいたしませんが、区の置かれた現況において、検討報告を踏まえた、具体的で迅速な問題提起に欠けている感が否めないのであります。その意味で、公適配懇談会において、区立学校の適正配置、すなわち学校跡地を再開発事業の種地とするなどの跡地活用の視点を当面最優先課題とし、一歩踏み込んだ議論をリードしていくことが肝要なのではないでしょうか。
     学校の適正配置の具体化に消極的であってはならないと思います。そのためには、区長のリーダーシップと教育委員会との連携による早期の具体的な取り組みが欠かせないのであります。企業は状況に応じて経営方針の転換を図ります。もちろん企業は利潤の追及が前提であり、行政はサービスの提供が前提でありますから、同列に論ずることはできませんが、自治体の存立に危機が生じた際には、その対応は柔軟かつ積極的であってしかるべきだと思います。  今のところ、学校の適正配置については区民に対して十分な提起がなされておりません。連合町会長クラスの人々の中にも、区の情熱が伝わってこないと指摘する声があります。区長は積極的に区民に合意を求め、協力を呼びかけるべきであり、学校跡地の種地活用によって区が模範を示さなければ企業や住民も、そして公務員宿舎の高度利用などに国も積極的にはならないでしょう。また、教育委員会は今からその推進の準備に取りかかるべきであります。もちろん私たち議員もこの問題から逃げてはならないのであります。基礎的自治体としての存立が待ったなしの状況にあるときに、三位一体のまちづくりを確認の上で、理事者と一緒に汗をかくべきであります。  イギリスの画家クラーク氏は「ポリティシャンは次の選挙のことを考える」これは選挙のことだけを意識した議員というべきかもしれません。「そして、ステイツマンは次の世代のことを考える」政治家は次の世代のことを考える。私の自責の念を込めてご紹介をするわけでありますが、私たちは学校の統廃合について、各学校は現在同じスタートラインについているということを確認し、それが具体化したときに断じて政争の具にしない。また、選挙のための無定見な材料としないことを約束し合わなければならないのであります。川がないのに橋をつくるという公約はできませんが、私たちは川をつくって橋をかけなければならないと思います。そういう立場から、手法、プログラムについて区長の所見を伺いたいと存じます。  地方公共団体は、国法秩序のもとで法律、行政を執行いたします。しかし、地方公共団体は自治行政の展開が既存の法令のみでは不十分であると考える場合には、自治立法権を行使して新たに条例、規則を制定することができるようになっております。自治体が地方自治の本旨に基づいて、住民のための健全で快適なまちづくりを果していくには、財産権の行使にかかわる行為でも、例えば、自然保護条例、モーテル規制条例のように、自治立法権が与えられております。この例は直接本区にとって参考になる事例でありませんし、財産権の行使については十分慎重であらねばなりませんが、企業等に対して協力を求める条例制定の可能性は見い出し得るものではないでしょうか。五万人口の回復を目標にまちづくりを推進するためには、行政の施策や国に対して関連法規の改正を求める努力と同時に、あるいはその一環として、自主立法としての条例の活用は有効な武器になり得るものであります。  街づくり方針の中で、「まちづくりの具体的な考え方を公的に位置づけるための街づくり条例の制定について検討を行う」と提言していることは周知のとおりであります。そして、街づくり条例については、本年第一回定例会で我が党議員団の代表質問で取り上げた経緯があります。その際、理事者からは、「住民、企業、行政の三位一体の協働という理念をその根幹において考える必要のあること、組織、手続きなどの体制整備に関する基本的考え方を広範な社会的合意として宣言することが重要であること、条例が実効性のあるものとしていく必要がある」との基本的な立場が説明されました。また総合的な視点からもろもろの整合性に留意し、国、東京都や他団体の動向も踏まえながら条例制定の検討を進めるという趣旨の答弁であったと理解しております。  現在、街づくり懇談会では住宅付置義務の代替として居住空間を創出するための協力金に関して議論がなされております。その後、街づくり条例についての検討はどうなっているのでしょうか。至近においては中小企業振興条例が予定されており、後で触れる千代田区住宅基本計画でもその条例化が言われております。街づくり条例とこれらの条例や住宅付置義務、現在検討されている協力金などの事項、福祉環境整備要綱との関連ないし整合性はどのように考えればよろしいのでしょうか。  また、関連法規、各団体などとの問題点は主にどこにあるのか、そして、条例制定までのスケジュールを含めた見通しをお示しいただきたいのであります。きょうの各紙の報道によりますと、くしくも千代田区と同じように人口減に悩んでおりますお隣の港区では、本日の本会議にまちづくり条例が提案をされるということであります。明快な答弁をお願いをしたいと思います。  次に、新長期総合計画についてお尋ねをいたします。  このことについて、区長は先ほど招集あいさつの中でも触れられておりますが、新長期総合計画の策定の必要性につきましては、本区を取り巻く諸情勢、とりわけ大幅な夜間人口の減少、業務地化の進行による居住環境の悪化、さらに高齢化、情報化、国際化の浸透により、新たな視点に立った、かつ二十一世紀を展望した都心千代田区にふさわしい行政計画の策定が急務であると考えております。  先般、策定に向けてのスケジュール、要綱等が明らかにされました。計画策定に当たっての必要性、基本的視点に異議はありませんが、現基本構想の理念を基本的に継承することは必要でありますが、目標年次に想定する主要指標の夜間人口は五万人として設定をし、作業に取りかかるべきだと存じます。区長のお考えをお聞きしたいと思います。  すべての政策決定、行政の実行は急ぐべきであることは再三指摘されているところであります。もちろん、さまざまな物理的制約のあることは承知の上で、策定の時期をスピードアップされることを要望しておきたいと存じます。そのためには職員の皆さんにも負担をお願いするわけでありますが、機動力のある審議会の設置にも努めていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。  そして、職員の皆さんには大いにタウンウオッチングに徹し、人に触れていただき、計画が机上だけに終わらないよう願っております。質問の冒頭でも触れましたように、はっきりした目標を定め、状況に即応した計画を策定し、あらゆる施策をそこに集約、集中しなければ目標年次には千代田区が存在しなかったということになりかねないのであります。そのような事態が生起しないよう、区長の区内外の各方面への決意表明と、理事者の皆さんの組織的な頑張りをお願いしたいのであります。  次に、平成三年度予算編成に関連する事項に関しての質問に入らせていただきます。  既に九月二十八日付で助役名による予算編成方針についての依命通達が出されているところでありますが、自民党議員団としての具体的な要望事項は、後日早い時期にお願いする予定であります。したがって、ここでは右に質問した問題以外の基本的な事柄についてお伺いをさせていただきたいと存じます。  今日の日本経済の動向は順調かのように見受けられます。しかし、今後、中東危機、日米貿易摩擦やウルグアイ・ラウンドを初めとする要因によっては大きく左右されかねないのであります。そのため、政府の政治、経済のかじ取りは、国、地方自治体の行財政に大きな影響を与えるわけでありますし、区財政にとっての見通し不確定要素を抱えております。ここ数年の本区一般会計当初予算の伸び率は、それぞれ前年度に比べて、昭和六十二年度が六・九%、六十三年度一三・二%、平成元年度七・三%、二年度は六・一%となっております。しかし、この伸びは皮肉にも人口減少に拍車をかけた土地の売買による要素も大きかったのであります。  そこで、このような状況にあって、区税収入を初めとする歳入構成においてどのように想定されるのか、歳入計画と財政調整制度における本区の見通しを含め、来年度予算がどのような展望のもとに編成をさせるのか、その中でどのような課題と目標を持ち、どのような方針に基づいて予算編成に臨まれるのか、まずお伺いをする次第であります。  私どもは、千代田区再生元年予算、千代田区頑張る予算ともいうべき積極予算を期待するものであります。同時に、議会での指摘や要望が十分に生かされるよう願うものであります。  次に予算編成に関連して、住宅政策について伺います。  まちに人が住むための要因は、まず住民の自助努力や民間マンションの建設によるものであり、次に公的住宅の確保があります。この中には、区立・区営住宅、都営、公団住宅や公務員住宅が入ると思います。これからは、再開発による住宅の創出に対する国、都、区による援助も課題として一層クローズアップされてまいると思います。これの指針となるのは街づくり条例であり、手法としては学校跡地の活用であり、区独自の法的な側面での中心は街づくり条例であり、何よりも必要なのは行政の実行手腕ということになりましょう。  本区では、このことについてさまざまな努力をしているわけでありますが、その一環として、本年五月、多様な人々が住み活動する生活都心を構築するため調査検討する専門委員会として、千代田区住宅基本計画策定委員会が設置されたところであります。来年九月の住宅基本計画策定に向けての検討過程にあって、このたび緊急事態に即応するために、平成三年度予算に反映させることが望まれる施策等早急に取り組むべき住宅施策を取りまとめた報告が明らかにされました。  報告は、課題として、低所得層だけでなく、中堅所得層をも対象とした住宅施策、高齢者や障害者が安心して暮らせるための住宅施策、転出を余儀なくされる世帯が千代田区に残ることができるための施策、高い地価に対応した土地の高度利用を促進するための施策、千代田区在勤者を促進するための住宅施策、良質な住宅の環境を保全し、環境の悪い住宅市街地を改善し、歴史ある住商混在地のコミュニティの再生などが必要として、早急に取り組むべきとして五つの住宅施策を提言しております。  その内容は、借り上げ型の仮称区民住宅供給促進制度の創設、高齢者向け住宅の促進、区立住宅整備の促進、公共住宅用地の確保、そして、住宅資金融資あっせん制度の拡充であります。さらに、国や都などへの要望事項として、国家公務員宿舎等の高度利用を含めた再整備の促進など四項目を上げております。策定委員会の努力と、論としての成果は評価できますが、具体性と現実性に議論を深めるべき問題点を含んでいるようにも思われます。とはいえ、そのことを踏まえ、目標値を定めての予算化を期待するものであります。  さらに、報告の中の高齢者住宅の供給についてはできるだけ近隣地域の中で交流し、地域の各層の人々に包み込まれて生活するという思想が必要なのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。  また、私は時折、千代田区在住者の結婚式に出席する機会があります。しかし、結婚する若者たちは、狭隘な居住スペースのため区外に新居を構えざるを得ないのであります。花婿、花嫁の喜びの表情を見ながら、私は一面寂しい気持ちを抑えることができないのであります。さきに紹介した課題の中の、転出を余儀なくされる世帯が千代田に残ることができるための施策は彼らを指すと理解してよろしいのでしょうか。  高齢者向けの住宅にしても、人口の再生産が望まれる若年世帯向け住宅にしても、国家公務員住宅の高層化によって区が借り上げができるよう、あるいは共同開発ができるよう国に対してさらに積極的に臨むべきと思いますが、いかがでしょうか。  また、公共用地確保の施策につきましては、具体的に公共住宅と公共施設との合築、既存公共住宅や公共施設と周辺地区を合わせた再開発によるスーパーブロック化及び高度利用の促進などが提言されておりますが、これは具体的な場所を前提としてのものでありましょうか。このことに関連しては、既に取り組んでおられる、いわゆる一建跡地の現況と、めどについてあわせて伺いたいと存じます。  さらに、住宅政策につきましては、民間企業の社宅の誘致が、あるいは誘導があります。既に住友不動産が猿楽町において、業務ビルと合わせて社宅用の住宅棟の建設に着手をしております。大変歓迎すべきことであり、第二、第三弾が期待されるところでありますが、その実現のためにどのような手法をお考えなのかお聞かせをいただきたいのであります。  さらに、現在、地主と借地人の関係で、契約更新をめぐって書き換え料の問題や土地の買い受けに関し、借地人にとって深刻な悩みが生じております。これは、その性格上、法律相談や区の組織では対応し切れない問題であり、街づくり推進公社に対応していただき、お互いに円満に解決でき、借地人の方が区内に住み続けられるような対策が必要だと思われますが、いかがお考えでしょうか。  周辺の共同化などを通して、その可能性はあると思うのであります。この件にかかわらず、共同建築について住民の心配の一番大きな点は権利形態であり、所有形態についてであり、推進公社の信頼が得られ、区民からの相談に積極的に介入し得れば、その果す役割は非常に重要と思いますので、お伺いをする次第であります。  最後に、神田市場跡地の活用と、それに関連をして地域振興公社の設立に向けての現在の取り組み状況と今後のスケジュールについてお伺いをいたします。  まだ一部の業者が残留してはおりますが、神田市場は昭和六十三年に廃止され、大田市場に移転をいたしました。秋葉原駅を中心とした地域については、神田市場移転跡地を含めて、秋葉原地域開発基本計画が策定され、「アーバンリンカー・アキバ」として総合的開発の協議が進められております。しかし、具体的な事業の着手までにはまだ相当の時間を要すると思われるのであります。この跡地につきましては、区としても、これで暫定的利用について東京都に要望してまいりました。安全面だけでなく、これを活用することは地元地域のみならず、千代田区全体のまちづくりと活性化に寄与することは明白であります。  具体的な活用方法としては、全国都道府県の物産展を誘致したり、郷土芸能や文化団体等のイベントが可能であります。もちろん、地元秋葉原の商店街や区内の商業団体を初め都、全国規模の団体による催し物が予想されます。まさに、千代田区に住み、働き集う人々の街となり、元気な千代田のための一端を担うことができると思います。跡地利用についての区の現段階における計画についてお示しをしていただきたいと存じます。  もし千代田区に利用が委任されるとなれば、管理運営は近い将来地域振興公社が主体となるべきではないでしょうか。  そこで、振興公社についてでありますが、平成二年度予算にも、設立準備費として五十万九千円が計上されており、自民党議員団としても、区民、企業、行政の三位一体のまちづくりの手法としての観点から、早期の設立を要望してきたところであります。元気な千代田をつくるのですから、元気な公社にしたいと思います。公社をサロンにするのではなく、地域コミュニティのリンカーとして、商工業、教育と文化の千代田を引っ張る機関車として、若い活力を注いで機動力のある公社をつくってほしいものですが、いかがでしょうか。その構想、計画の経緯、今後の日程についてお示しをしていただきたいと存じます。  私たちはざんげをするのではなく、区と区議会が適度の緊張関係を保ちながら、車の両輪のごとく目標に向かって進むことが必要だと考えております。千代田の土地は有限でありますが、知恵は無限であります。このような立場で、以上、当面の諸課題について質問させていただきましたが、要は論より実行だと思います。自由民主党議員団は木村区政とともに歩んでまいる決意を表明して、代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 12: ◯区長木村茂君) 鎌倉議員のご質問のうち、まず、千代田区の現状についてどう認識しておられるのか、この件についてお答え申し上げます。  私は、区長就任以来、区民本位の区政運営を念頭に、千代田区の基本目標である活気と安らぎある調和のとれたまちの実現と、区民福祉の向上に全力を傾注してまいりました。しかし、本区の現状においては、依然として業務機能の集中が著しく、それに伴う地価の高騰が、居住機能を初め区民の生活環境を悪化させ、区政にも深刻な影響を及ぼし、特に夜間人口についても、依然として減少の一途をたどっておることは、私といたしましても、憂慮にたえないところであります。  また、ご指摘の都区制度をめぐる動向や議員定数問題、国家移転決議など区政を取り巻く諸情勢は非常に厳しく、楽観的を許さないものがあることは、区政を担う責任者として、強く認識いたしているところでございます。  そのため、新たな決意で、千代田区を構成するすべての方々と手を携え、区議会との緊密なる連携のもとに、二十一世紀を展望した、多様な人々が住み、活気とにぎわいのある魅力ある都心を構築していくため、さらなる力を結集していく覚悟を固めておるところであります。今後とも、全職員の先頭に立って、生き生きとした活力に満ちた区政運営を心がけてまいりたいと思っております。  次に、新長期総合計画についてでありますが、さきの招集あいさつで申し上げましたように、このすばらしい千代田区を次の世代へ引き継ぐためには、新たなる長期総合計画の策定のため、庁内に策定委員会を発足させ、現在、新しい行政需要に即した行政計画の構築に向け、取り組んでおるところであります。  また、区政に対する区民の期待はますます大きく、時代の変化に即応した対応が一日たりともゆるがせにできない状況であることにかんがみ、一日も早い策定に向けて鋭意努力してまいりたいと思っております。  また、新長期総合計画の基盤ともいうべき人口指標の設定につきましては、区政を取り巻く現状及び将来展望を十分に踏まえ、慎重に対処していかなければならないと考えております。  しかし、さきに策定した街づくり方針や、自治法における市としての要件などで位置づけられておける五万人人口については、一つの大きな要素として考えるべきと認識しており、五万人以上の人口確保をもとにした人口指標について、ご指摘の趣旨も踏まえ、今後区議会とも十分協議してまいりたいと考えておりますので、ご了承をお願いいたします。  次に、公共施設適正配置のあり方に関連した区立学校の適正配置についてでありますが、学校の適正配置問題は、公共施設適正配置の総合的な取り組み課題における主要な要素であると認識いたしておるところであります。この課題も含めて、現在、公共施設適正配置検討懇談会において、総論部分の集約がなされていると聞いております。したがいまして、緊急を要する当区の人口問題に対して、公共用地が果す役割を十分認識する中で、当懇談会の結論が早急にまとめられることを期待しておるところであります。私は、この結論をもとに、教育委員会と十分なる連携をとり、区立学校の適正配置について関係者の意見を十分踏まえ、積極的に対処してまいる所存でありますので、ご了承願います。  次に、平成三年度予算編成についてのご質問にお答えを申し上げます。  我が国の経済環境の大きな変化によって、地方財政への影響が懸念されることはご指摘のとおりであります。また一方、税制改革の動向なども十分見極めながら対処していく必要があろうかと考えております。  まず、歳入関係についてでありますが、一般財源の大宗を占める特別区民税につきましては、譲渡所得など不確定要素があり、また、都区財政調査につきましては、都税収入の伸びの鈍化による調整財源への影響など現時点では推計することは甚だ困難でありますが、いずれも大幅増は期待できない状況にあると予測いたしております。  次に、予算編成についてでありますが、夜間人口の減少に歯どめをかけ、千代田区を、人の住むまち住めるまちに再生していくことが、中長期にわたる最大の課題であり、すべての施策がこの一点に集中し、計画、実施されることが緊要であります。  今回策定する実施計画については、これまでの諸課題に対する取り組み状況を十分踏まえ、改定基本計画の課題達成に向けて施策の具体化を図ると同時に、特に急務となっております定住対策、国際化施策など直ちに取り組むべき重要な施策について検討を急ぐとともに、新長期総合計画をも展望しつつ、新規事業にも積極的に取り組むよう具体的に指示したところであります。したがって、来年度予算は、実施計画を基軸として、区政を取り巻く諸情勢を十分勘案し、区民福祉の総合的向上を図る視点に立った総計予算として編成してまいりたいと考えております。  次に、旧神田市場跡地の活用についてでありますが、ご指摘のとおり、開発事業の具体的着手に至るまでにはなお時間を要すると見込まれますので、この間、空地として放置しておくことは、衛生、防犯、防火等の安全対策面を初めとして、地域の活用化の大きな阻害要因となることが予想され、かねてより都に、地元区としての意向を尊重していただくよう、一時駐車場等の暫定利用について要請活動を行ってまいりました。  現在、区としての跡地暫定利用計画について検討中でありますが、例えば、駐車場としての利用はもとよりのこと、千代田区の活性化の推進に資するイベント広場等多目的な利用も考えられますので、今後、区議会を初め地元町会や商店街等と十分協議の上、地元区としての意向を取りまとめ、都に要望してまいりたいと考えております。  なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔企画部長瀧見浩之者登壇〕 13: ◯企画部長(瀧見浩之君) 鎌倉議員のご質問のうち、公共施設適正配置に関するご質問並びに神田市場跡地利用に関する地域振興公社についてお答えを申し上げます。  まず、公共施設適正配置に関するご質問でございますけれども、本年一月発足をいたしました公共適正配置検討懇談会につきましては、これまで六回の全体会と五回の小委員会が開催され、本区における公共施設の現状、問題点、課題の整理並びに公共施設適正配置検討の基本的な視点など総論分について精力的な審議が展開されているところでございます。  ご指摘のありました三位一体についての昼間人口に対する施策展開の方向性についてでありますが、当該懇談会におきましても、白熱した議論が展開され、本区の特性として、昼間人口、すなわち千代田区を支え集う人々の位置づけについては明確に示される方向になっているところでございます。さらに区立学校の適正配置に関する再開発等による跡地活用のご意見につきましても、懇談会の中で人口回復に積極的に対応する利用策の方向性が議論されているところでございます。  現在、懇談会におきましては、このような内容を含む総論部分の中間のまとめの作業に入っているところでもあり、間もなく区長にその提出があるものと受けとめております。  今後、区民からの意見の幅広く聞きながら、各論の検討を精力的に審議していただき、事務局といたしましても、懇談会の結論が早急に出されるよう努力してまいる所存でございますので、ご了承いただきたいと思います。  次に、(仮称)千代田区地域振興公社についてお答えいたします。  区では、これまでも街づくり方針に基づく四つの都心像の具現化に向けて、ハード、ソフトの両面から積極的に取り組んでいるところでありますが、この目標を達成する上で新しい発想のもとに行政体制の枠を超え、民間の持つノウハウに学ぶ地域振興公社を設立することが極めて重要なことと認識しております。  この地域振興公社は、基本的には地域コミュニティを支える中心的組織である町会の活動やライフスタイルの多様化、生涯学習の機運の高まりの中で積極的な役割を果すことが求められている自主サークル、グループの活動、また、町会とも密接なかかわりを持ち、地域活力の源泉でもある商店街など中小企業団体の振興活動を支援し、育成することを目的としたソフト面からの公社として考えております。  また、あわせて江戸っ子かたぎに代表される個性的、伝統的な文化と、新しい国際的な文化との出会いを通じての地域文化の振興や、また、地域振興のベースとなる公共施設の公立的、弾力的管理運営を通じての区民サービスの向上に資する事業なども考えられております。  この公社の事業の概要については、現在、許可認可官庁である東京都並びに庁内各関係部課と協議、調査中でございますが、今後、早急に設立素案を議会にもお示しし、ご意見を賜りながら、区民の皆様の期待に沿うような公社を平成三年度内に設立できるよう、一層の努力を傾注してまいる所存でありますので、ご了承お願いします。  また、神田市場跡地の暫時利用とその管理運営についてでありますが、当面は跡地利用に対する都との折衝、協議を進める中で、都側の意向の早急な確認に努めながら検討してまいりますが、ご提案の趣旨を十分に踏まえ、地域の皆様や各種関係団体のご意見を踏まえながら、地域の、そして千代田区全体の関係団体の活性化と振興に資するよう、その運用方策については詰めてまいりたいと考えております。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 14: ◯都市整備部長望月章司君) 鎌倉議員のご質問のうち、街づくり条例並びに住宅施策について、区長答弁を補足してお答え申し上げます。  まず、街づくり条例を検討するに当たりまして、基本的立場並びに考え方につきましては、ご指摘いただきましたとおり、街づくり方針の具現化である四つの都心像、とりわけ生活都心の実現と、住民、企業、行政の三位一体の協働という理念とその根幹に据えて検討を進めているところでございます。  その中でも、街づくり条例が単なる手続条例にとどまることなく、千代田区及び地域のまちづくりに係る目標と、その実現に至る道筋を指し示せるよう実効性のあるものとしていくことが必要であると認識しているところでございます。  そうした観点から、住宅基本計画並びに住宅付置を含む居住空間確保のための協力金制度等の整合性を図り、街づくり条例を総合的に検討していくことが極めて重要となってまいります。現段階におきましては、中小企業振興条例の策定が予定されているところでありますが、今後の検討によっては、住宅条例や、場合によりましては都市景観条例の策定も必要となってまいりますので、これらの検討状況とその具体化内容等を十分に勘案しながら、街づくり条例の体系化を図ってまいりたいと考えております。  現在、二十三区において、まちづくりの基本となる総括的性格の条例を制定している事例がありますが、今後、これらの状況も踏まえ、関連する条例並びに要綱等との整合性を図りながら、現在検討中の住宅基本計画等がまとまる来年度の後半を目途に、その体系化につきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。  次に、早急に取り組むべき住宅施策についてお答え申し上げます。  まず高齢者の住宅対策でございますが、ご指摘のとおり、高齢者が安心して住みなれた地域社会の中で自立性を保持しつつ、近隣と交流しながら安心して生活できるよう居住の安定化を図ることが施策の基本であると認識しております。  しかし、住環境、家賃等のいろいろな事情等により、地域社会において居住の継続が困難な高齢者に対して、住宅政策から、また福祉政策から援助の手を差し伸べることも重要なことと存じます。したがいまして、住宅基本計画策定委員会もこの観点に照らしての提言と受けとめておりますので、今後とも高齢者の住宅施策について十分検討してまいりたいと存じます。  次に、新婚家庭についての住宅政策ですが、区の基本的施策の方向としては、すべての区民が千代田区に住み続けられるようにすることであり、同時に、長期的には千代田区の人口回復につながる政策の形成を基本としております。  ご指摘のありました新婚家庭につきましては、千代田区の明日を支え、千代田区の発展を担う中堅ファミリー層でありながら、居住スペースの関係、また所得等の面で転出を余儀なくされ、これがまた本区の年齢構成に如実にあらわれているところでございます。  策定委員会も、この点に照らし、区民住宅供給促進制度の創設を提言しておりますが、その内容は、中堅所得層を対象とした公的住宅賃貸住宅を供給しようとするものでございます。もちろん、この制度は新婚家庭のみを対象とする制度ではございませんが、少なくとも大きく寄与するものと存じます。区といたしましては、この制度を含め、効果的政策の検討を進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、国家公務員宿舎等の再整備ないし共同開発についてでございますが、この点につきましては、たびたびご提言、ご指摘をいただいておりますが、確かに低い容積充足率の状況にある団地もあり、検討すべき大きな課題と認識しております。  そこで、現在研究している団地もございますが、今後はより一層検討すべきものと考えており、関係部署と協議を進めております。  また、ご指摘の借り上げにつきましては、国家公務員自体の住宅不足という点、また、宿舎法との関連で困難かとも存じますが、この問題の検討過程で研究してまいりたいと存じますので、ご了承のほどお願い申し上げます。  次に、策定委員会から既存の公共住宅や公共施設と周辺地区をあわせた再開発によるスーパーブロック化及び高度利用の促進というご提案をいただいております。このご提案は、街づくり方針の再確認という意味合いのほかに、地域別街づくり方針でうたう重点検討課題の幾つかの事項の早急な検討と実施及びその成果を期待されてのものと受けとめております。この点につきましては、区といたしましても地域整備課題として取り組んでいるところでもございますし、また、推進公社におきましても積極的に進めているところでもございます。今後ともご提言の考え方をかみしめ、積極的に対応してまいります。  次に、一建跡地における建設計画でございますがこれまでもまちづくり並びに敷地の有効活用の観点から、隣接地権者と共同化について話し合いを続けてきたところでございます。現在、共同化の方向で合意の形成がなされつつあるところまで進んでおりますが、今年六月、地権者の一人に相続が発生し、相続人との個別の話し合いを行っているところでございます。今後は地権者と早急に合意形成を図りながら、今年度中に構想案をまとめ、さらに来年度は実施設計並びに権利調整に努力し、平成四年度には工事着手ができるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、社宅の誘導についてでございますが、本区にありましては社宅の占める割合が極めて高く、昭和六十三年住宅統計調査によりますと、公務員宿舎を含め全体の約二四%、三千三百七十戸が給与住宅となっており、住宅施策を推進する中で重要な柱の一つと考えております。したがいまして、社宅の誘導方策は、本区の実情、地価の実態を考慮した場合、積極的に推進すべき施策と認識しております。このための誘導といたしましては、市街地住宅総合設計制度の活用等による容積率の割り増しや、優良再開発建築物整備促進事業等による補助に加え、賃貸住宅に関する建設資金の融資あっせん制度の充実や、東京都住宅政策懇談会の提案にある市街地複合住宅総合設計制度の本区での働きかけあるいは税制上の特別措置等の検討及び関係機関への働きかけ等つくりやすい条件整備に努めてまいりたいと考えております。  なお、これらの件につきましは、今後、住宅基本計画策定委員会での検討が予定されており、その検討結果を踏まえて、より実効性のあるものとしていきたいと考えておりますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。  次に、街づくり推進公社の活用に関してでございますが、地主と借地人間の契約問題等当事者間の民事上の問題につきましては、公社が対応するといたしましても、デリケートで困難な問題があると思われますが、強い要望があることから公社と十分連携し、検討してまいります。  また、建物の共同化につきましては、現在におきましても積極的な対応に心がけ、その実も上がりつつあると認識いたしているところでございますが、区民の信頼にこたえられるよう、より一層の充実、拡充を図るよう推進公社につたえるとともに、私どもも適切な助言指導に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。    〔教育長井澤一弘君登壇〕 15: ◯教育長井澤一弘君) 鎌倉議員のご質問のうち、区立学校の適正配置に関する質問にお答えいたします。  区立学校の適正配置につきましては、ただいま区長からご答弁ございましたとおり、二十一世紀の初頭を目標にした区立の公共施設のあり方や有効活用について、広範な視点から検討を行うため設置されました千代田区公共施設適正配置検討懇談会において、区立学校をも含め、総合的に検討が行われているところでございます。  一方、区立小学校の状況は、ますます小規模化が進み、集団生活の中での切磋琢磨、あるいは豊かな人間性や人間関係の育成等子供の健全育成の面からさまざまな問題が生じつつあります。したがいまして、現在検討中の公共施設適正配置検討懇談会の答申がなされ次第、可及的速やかに区立小中学校適正記置の具体化を推進してまいる所存でございます。  なお、昭和六十三年七月、教育委員会が基本的方向としてまとめました教育条件整備の推進の中の区立学校の適正配置の考え方は、将来における児童数の推移を考慮し、かつ学校の地域社会における位置づけなどにも配慮しつつ学校数を設定いたしたものでありますが、来年出される答申を踏まえるなど今後とも必要な検討を重ねてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。 16: ◯議長水野正雄君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。    午後二時四十七分休憩    午後三時十四分開議 17: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問を続けます。  日本共産党区議会団を代表して、二十七番福山和夫君。    〔福山和夫君登壇〕 18: ◯二十七番(福山和夫君) 一九九〇年第四回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して、区長並びに関係理事者に質問をいたします。  まず初めに、天皇の即位の礼と大嘗祭についてであります。
     区長招集あいさつで、「区民ひとしく慶賀にたえないところであります。すべての区民とともに謹んで慶祝の意を表したいと存じます。」と述べられました。しかし、天皇制については国民の中にいろいろな見方があります。天皇や皇族に親しい感情を持つ方も、戦争との関係で厳しい態度を持つ方も、宗教上の考えを持つ方もあります。ここで伺いたいのは区長の個人としての考えではなく、自治体の長としての見解であります。  十二日、即位の礼は天皇の国事行為として行われました。二十二、二十三日、夕刻から深夜にかけて行われる大嘗祭は、政府見解でも宗教上の儀式としての性格を有すると見られることは否定できないと認めている皇室の宗教儀式です。  新天皇の即位の儀式については、既に前天皇が死去した一九八九年一月に一定の儀式を行っています。にもかかわらず、即位後二年近くたって改めて政府が即位の礼を行うのはなぜでしょうか。それは、一連の即位の儀式が、天皇が主権者で現人神とされた戦前、一九〇九年に定められた登極令を踏襲しているからです。登極令は国民の上に君臨する当事者としての天皇の絶対的な権力と権威を打ち立てるために、天皇即位後直ちに三種の神器を継承する践祚の儀や、新天皇が天照大神と寝食をともにして一体化して、みずからも神となるとされる大嘗祭などおびただしい数の儀式、行事を定めています。この登極令は、主権在民を明記した現憲法が制定された際、民主主義の原則に反するとして廃止されました。即位の礼の中心儀式として、国の主催で行われる即位礼正殿の儀も、登極令の中の即位礼紫宸殿の儀の名称を変え、式場を戦前の京都から東京に移しただけのものにすぎません。  今回も天皇が三種の神器のうち、剣璽を帯同し、高御座という高い壇につき、即位の内外に宣明するものでした。これに対して首相が壇下から、「私たち国民一同は天皇陛下を日本国及び日本国民の象徴と仰ぎ」国政に「最善の努力を尽くすことをお誓い申し上げる」などとする、寿詞と称する祝辞を述べ、衆参両院議長、首相、最高裁長官を初めとする参列者が万歳を三唱するということでした。  天皇主権時代に統治者としての資格を得る儀式として行われるものを事実上再現することが、現憲法の主権在民の原則に反することは明らかではないでしょうか。天皇を一般国民の上位にある特別の存在として元首のごとく仕向けていくものであり、二十一発の祝砲も元首に対するものでした。  大嘗祭も国の統治者となった天皇を神とする儀式であり、人間宣言をした天皇を再び神格化する主権在民の原則と相入れないものです。  即位の礼とその関係費に総理府から五十五億五千六十二万円、大嘗祭には皇室予算から二十五億六千八百万円、空前の警備費五十四億円を含めると総額百二十三億円もの国費を費やすことは、政教分離を定めた憲法第二十条にも、宗教行事への公金支出を禁じた八十九条にも違反します。この中には、たった一晩しか使わず、焼却、廃棄する大嘗宮の建設費約十四億円も含まれています。  政府はしきりに今回の即位儀式は皇室の伝統を尊重したものだと言います。しかし、今回のようなやり方で即位の礼、大嘗祭を行ったのは大正、昭和の二回だけです。とても伝統と言えるものではありません。  日本共産党区議団は、八日、これら儀式、行事に区長、幹部職員が参加しないこと、公費の支出を行わないこと、職員の参加・協力を強制しないこと、小中学生を初め区民に参加・協力を求めないことなどを区長に申し入れをしたところであります。  そこで区長に、主権在民の憲法の原則、信仰の自由、平等、基本的人権の問題として、地方自治法第一条、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るべき問題として、この即位の礼、大嘗祭をどのように考えられるのか、見解を伺います。  また、教育委員会からは小中学校長に即位札正殿の儀に際して、学校における児童生徒への指導及び即位礼正殿の儀当日における祝意奉表について通知が出されています。この通知には、文部省初等中等教育局長より、「各学校において、あらかじめ適宣な方法により、国民こぞって祝意を表すことの意義を児童生徒に理解させるようにすることが適当と思われますので、貴管下の学校においてもよろしくご配慮願います。」との通知が添えられています。区教育委員会がこの通知を行った意味はどこにあるのでしょうか。  また、憲法、民主主義を教育すべき学校が、天皇の即位儀式・行事を国民こぞって祝うべき意義をどのように教えられるのか、その内容をお知らせください。  次に、実施三カ年計画の策定並びに平成三年度予算の編成についての依命通達の前文に沿って質問いたします。  第一は、「我が国は世界の平和に大きな役割を果していくことが求められている」との、日本の世界平和への貢献についてであります。区長あいさつでもこの点を触れました。この世界平和への貢献が何を指すのかは、イラクによるクウェートの武力侵略という第二次世界大戦後初めての他国全体の併合、許しがたい暴挙をどう解決すべきかという対応で示されると思います。  政府自民党は、国連平和協力法を臨時国会に提出しましたが、国民の反対世論の前に廃案となりました。これは、あの侵略戦争の痛苦の経験から、憲法第九条で、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する」とした国民の見識を見事に示しました。  今、中東情勢は一層緊迫のただ中にあります。米国は二十三万の陸海空軍に加えて、十万以上のヨーロッパ駐在軍を中東に移動させ、空母六隻をペルシャ湾に配置、イラク攻撃型の体制を強化しました。そして、国連決議なしでも攻撃を開始する権利をもっていると宣言すると同時に、この軍事行動を支援する国連決議を取りつけようと、外交活動も行っています。  これに対してイラクは、二千トンを超える毒ガス兵器を使用し、中東のすべての油田を爆破して対抗すると言明しています。米軍を中心とする四十万以上の多国籍軍とイランとの八年間の戦争経験を持ち、大国による武器輸出で軍事大国となったイラクが戦端を開けば、想像を超える死傷者を生み、世界経済はパニックになり、地球環境も大きく破壊される危機的な状況になりかねません。日本国民、世界が願っているのはこの道ではありません。国連の十の決議によるイラクに対する経済制裁、イラクからの輸入を禁止し、イラクへの輸出、経済協力を禁止すること、平和的手段で侵略者を追い詰め、問題を解決することです。  日本がやるべきことは、この経済制裁による解決を徹底するため、政治、外交、経済など力を尽くすことです。それにはまず、経済制裁の大国による抜け穴をふさぎ、実効あるものにする必要があります。ソ連は、イラクに軍事専門家を残し技術者を残して経済協力をしています。英国は、イラク軍事施設建設の企業活動続けています。米国は、ブラジルを通じ、ミサイル開発計画に協力しています。中国は、各兵器原料の化学物質を輸出、フランスは、イラクで石油事業や兵器関連企業が活動しています。  我が党の不破委員長が、経済制裁の抜け穴を具体的に指摘し、海部首相は国連の関係機関に監視を強めるよう通報を約束し、実行しています。また、国連の安全保障理事国に働きかけて、経済制裁をより効果あるものに高め、武力行使を容認する決議を通す危険な方向ではなく、平和解決のためのあらゆる努力をするなどの必要な措置は現行法のもとでも幾らでもできるものです。これが、現在における国連への協力の最大の内容です。新規立法の必要はありません。  政府自民党が湾岸危機対策として出した国連平和協力法には、朝日新聞の世論調査でも自衛隊の海外派遣すべきでない七八%、民間人中心の平和協力組織の派遣反対五四%と、国民の声も明確に反対でした。国会論議を中心に、危険な正体も白日のもとにさらされました。(1)国連協力というが、国連とは無縁の米国を中心とする多国籍軍の行う戦争への協力であること、(2)平和協力というが、協力隊の中心は自衛隊であり、部隊として参加する自衛隊には武器の制限がないこと、武器、弾薬、兵員の輸送も許されること、補給艦による戦闘中の米艦隊に、海上で、燃料、食糧、弾薬、ミサイルなどの補給活動も想定されている軍事協力法であること、(3)海外派兵を国会に諮ることなく首相の独裁で決めることができ、自衛隊員はもとより、公務員も海外出動命令を拒否する自由がなく、事実上の戦前の徴兵、徴用的な軍事立法であることなど危険な米軍の軍事行動への後方支援一本やりであることが明らかになり、廃案となりました。  しかし、廃案の十二時間後に、自民、公明、民社三党は、国連の平和維持活動(PKO)への協力などをうたった国連平和協力に関する合意、覚え書を取り交わしました。この合意は東京新聞に、「これら(合意)に基づいて成案化される法律は、廃案となった国連平和協力法案とどこが違うのか区別が難しくなる」と指摘されています。それは、(1)海外に派遣する部隊が非軍事的なものかどうか規定がありません。(2)自衛隊とは別個の組織に自衛官が参加できるかどうか歯どめがありません。(3)協力の対象となる国連平和維持活動のどの分野に限定するのか明確でありません。(4)国連決議に関連した活動という表現は幾らでも拡大解釈できます。  社会党も、国連平和機構大綱で、国連平和維持活動のために国連平和協力隊をつくることを提案しています、まさに、廃案になった売上税を消費税という形でよみがえらせた直間比率の見直しと同じ役割を果しかねません。  国連の平和維持活動とは一体何でしょうか、具体的には、(1)平和維持軍は純然たる武装部隊で、兵力引き離しなどを任務とします。(2)停戦監視団または軍事監視団は非武装が原則ですが、軍人による前線での活動です。この二つの活動で既に七百七十二名の犠牲者が出ています。法制局長官も、この二つの活動の参加は自衛隊でなくても憲法違反と認めています。(3)選挙監視団は文民による紛争終了後の議会の選挙、住民投票等の監視または管理で、日本でも既にナンビアなどにも派遣しており、現行法でも協力できると国連局長も認めています。したがって、世界の平和維持を目指す国連の正当な活動に、日本が憲法の枠内で平和的協力を進めるためには新しい法律をつくる必要はないということです。  十一月十一日、代々木公園で開かれた「自衛隊海外派兵反対、米輸入自由化阻止、小選挙区制・政党法反対、くらしといのち、民主主義を守る国民大集会」は全国四十七都道府県から参加した二十万人の人であふれました。自衛隊の海外派兵に道を開く国連平和協力法を廃案に追い込んだ歴史的成果を確認し、新たな戦争協力法を許さない決意をとどろかせる集会となりました。  過去、国連は大国の思惑に左右されています。国連の決定によるものであっても、一九六〇年から六四年まで、コンゴに派遣された平和維持軍のように、国連軍の名によって軍事介入を行った例もあり、世界平和と民族自決権の原則に立った国連活動への自主的対応が必要です。本当に国連中心の平和体制を築くというのであれば、世界の軍事ブロックをなくすこと、国連の本来の集団安全保障の機能を正しく強化していくことが大切です。  そこで質問ですが、鈴木都知事は読売新聞で、自衛隊派遣の是非について賛成を表明し、毎日新聞の平和協力隊への職員派遣要請に積極的に対応と答えています。区長は、同様の質問にどのように答えられるのか。  また、日本国憲法のもとで国連の平和活動に貢献するために新規の立法が必要と考えられるのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。  第二に、国の本年度予算についてです。  依命通達は、生活関連重点化枠による社会資本の充実に触れています。これは、今後十年間で四百三十兆円、JR、NTTを含むと四百五十五兆円の公共投資を約束した日米構造協議に基づく公共投資基本計画で新しく設けられたものです。資本主義国にとって、不況のときには公共投資をふやし、景気過熱のときには減らすのが常道ですが、外国からの圧力で、あらかじめ十年間の伸びを決めた例は世界にありません。  大和総研の田谷偵三氏によると、四百三十兆円は用地費を除き三百七十五兆円と見られ、年平均六%の伸び率です。一九八〇年から八九年の十年間が二百三十七兆円で、年平均一・五%の伸び率だったのに比較して異常なふやし方です。福田内閣のときも、米国は圧力をかけ、公共事業費をげっぷが出るほど膨れ上がらせ、国の財政はサラ金財政と呼ばれるほど借金まみれになり、国債の残高は百六十兆円を超え、予算支出の約二〇%を利子払いに回すなど十年以上たった今日までそのつけは重く国民に回されています。  依命通達は、国債依存度の引き下げを目指しているとしていますので、この公共投資の急増は財政破綻の再燃、国民への大増税、すなわち消費税の引き上げも予想されます。東海銀行の試算では、国債をふやさないで消費税で賄うと、三%の税率を七%に引き上げる必要があると言われている。  そこで質問ですが、この影響をどう見ているのか。国や地方自治体の予算編成まで左右する日米構造協議を通じての干渉を、自治体の長としてどう思われるのか、所見を伺います。  各省庁の概算要求では、相変わらず軍事費が五・八%増、四兆四千二十三億円、ODAが一〇・一%増の八千九百五十六億八千万円と突出しています。厚生省の要求は十二兆二千百五十五億円で、六千五百三億円増、五・六%ふえています。しかし、年金受給者の増加等による当然経費は同じく六千五百億円であり、実質的には伸びのない予算です。国民健康保険料や老人医療の自己負担増につながり、区民にとっての改悪になると思いますが、いかがでしょうか。  また、中小企業対策費は一・六%減の一千九百十一億円で、九年間に二五%もカットされたことになります。この点も、中小企業者の多い千代田区としての意見をお聞かせください。  環境庁は六百六十億三千百万円で三三%増と目立ちます。そのうち窒素酸化物対策は二十七億二百万円と十六倍になっています。そのうちの九五%は地方公共団体を中心に電気自動車など低公害車の普及を促進するというもので、対策としては弱点がありますが、これ自体は推進すべき内容でありますので、区としても低公害車の試験導入を考慮してもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  第三は、都長期計画懇談会最終報告についてであります。  鈴木都政についての批判は、東京情報連絡室が六月に実施した都政モニター調査でも明らかです。都政に不満を持つ人が五六%にも急上昇しています。不満の第一は土地・住宅です。都は、マイタウン計画、国土庁は四年前に出した首都改造計画で、二十三区のビル床面積を五千ヘクタールと予測し、地上げ、ビル建設をあおったが、過大過ぎたとして千六百から千九百ヘクタールへ三分の一に下げました。都民の怒りはもっともです。鈴木都政の住宅政策は民間依存型で、都営住宅も革新都政時代平均六千十一戸から、年平均千三百十四戸、四分の一以下しか建設していません。しかも、地価高騰野放しのもとですから、マイホームも家賃も急騰して当たり前です。  不満の第二位は、行財政運営です。革新都政は都民参加の都政でしたが、鈴木都政は国や財界にばかり顔を向けた都政で、都民の意見が反映されていない、身近でないという不満です。革新都政時代は、その後半ニクソンショック、第一オイルショック以来の長期にわたる構造的不況のもとで、全国の保守、革新を問わず、ほとんどすべての自治体が赤字財政に転落しました。福祉ばらまき宣伝で登場した鈴木都政は、二百六十七種類の公共料金を値上げ、都民一人当たり十九万円もの負担増を押しつけ、不満を大きくしています。鈴木都政は、赤字財政を建て直し、黒字にしたことを誇っているが、黒字というのは税金を取り過ぎていることだ、この発言は、何と自民党河本派の首脳のものです。  不満の第三位は交通です。東京一極集中で通勤地獄、交通渋滞も極限にきています。  不満の第四位は環境問題です。公害対策を後退させ、窒素酸化物の環境基準達成は絶望的、公害患者も倍増しています。都民のオアシス高尾山を破壊する圏央道を初め緑破壊の問題、そのほかにも限界にきたごみ対策問題など都民不満も限界にきています。だからこそ、都の長期計画懇談会の稲葉秀三座長が、「今回は予想以上の早さで環境が変化して行き詰まりを見せ始めている問題が多い。処方せんを示さないと将来何のための長期計画かとそしりを招きかねない」と悲鳴を上げたほど危機は来るところまできているのです。  八日に提出された都長期計画懇談会最終報告は、計画事業費三十一兆二千億円、現行計画を倍加しています。そのうち用地買収費が十兆円を占め、四つの緊急プランが取り上げられているのが特徴です。  第一は住宅政策、十年間に都が関与、支援して三十五万戸の住宅を供給するとしています。しかし、約七割を民間に頼っており、都営住宅は六万百戸で、年平均でまだ革新都政時代に追いつけない計画です。構成比も一二・一%、第三位にとどまっています。  第二は、リサイクル都市づくり、ごみ、水資源、エネルギー、建設残土対策を上げています。ごみの減量計画一七%、清掃工場五施設、不燃ごみ処理施設三千トンを必要とし、最終処理場を東京湾に新設する。ごみアセス制度の導入は検討としています。構成比で約一〇%です。  第三は、交通政策の新たな推進、幹線道路の整備や地下鉄、新交通システム、東京湾の整備、東京テレポートの整備など八兆九千億円、構成比も二八・四%、第一位であります。  第四は、地域福祉の基盤づくり、高齢者、障害者のためのホームヘルパーを大幅増員、特別養護老人ホーム、老人保健施設の定員を大幅拡充する、個室タイプの経費老人ホーム、ケアハウスを一千五百室設ける。  この緊急プランは、これからの問題を深刻にした国や鈴木都政の東京改造計画の政策責任を明らかにしておらず、最大の原因である東京一極集中政策を転換するものにはなっていません。その上、都庁舎の新宿移転問題、建築費や引っ越しで二千四百億円もかかる豪華庁舎、移転に伴う道路整備、跡地に立てる国際会議場など含むと、総額一兆三千億円、世紀のむだ遣いを進めるものであります。  また、臨海部副都心建設計画は、四百四十八ヘクタールの広大な埋立地に、居住人口六万人、商業人口十一万人、一日の出入り人口四十五万人という巨大都市を、四兆一千四百億円、十五年かけて建設しようというものです。我が党区議団も、海と陸の両面から調査活動を行いました。ずさんな計画で、臨海部開発をやると夏の気温が一・五度以上上がる、地震で三六%の地域が液状化の危険があると指摘されています。都心との交通アクセスも、あと幾ら予算がかかるか分からないという大変なものです。住宅ができても、公団住宅二十万円、公社住宅十四万円、民間住宅は四十万円以上、庶民の住めるものではありません。  区長に伺いますが、都長期計画懇談会の最終報告をどう評価され、千代田区への影響をどう予測されるのかを、まず質問致します。  また、都庁舎の新宿移転を、都民サービスの向上、行政効率の向上に資するものと考えられるのか。  そして、臨海部副都心開発について、国土庁からも、一極集中を促すだけであるとの意見が出されています。都政モニター調査では都民の希望は公園、緑地の充実、住宅としての利用が多数でした。この計画を区長がどう評価されるかは、区長のまちづくりの視点を明らかにすることとなると思います。見解をお述べください。  第四に、都区制度に関する答申について伺います。  区は、九月二十日の地方制度調査会、都区制度の改革に関する答申を区民にわかりやすく知らせるため、「特別区制度の改革、この子たちの未来のために」というパンフレットを発行しました。当然このパンフレットには、特別区制度の改革に対する区の姿勢が示されていると思います。この点から質問させていただきます。  メインタイトルで、「千代田区は新しくなります!」とうたい、リードコピーで、「昭和六十一年二月に東京都と二十三特別区との間で合意した都区制度改革の基本的方向の三つの柱に沿って、今回の答申により、千代田区がどう変わるのかを考えてみます」と中心点を紹介しています。  第一の柱を、「千代田区を自立した基礎的自治体へ!」として、「答申では、都の特別区の存在する区域における基礎的な地方公共団体であると考える」「千代田区はもはや東京都の内部団体ではないということがはっきりしました」と評価を述べています。  しかし、特別区の性格について注目されたのは、現在、特別地方公共団体としての制約のある特別区を、他の市などと同じように普通地方公共団体、基礎的な自治体と位置づけるかどうかでした。多くの問題点を抱えた都区合意が、特別区を大都市区域における基礎的自治体とし、普通公共団体に位置づけることとしていたのに比べても後退したものとなっています。  答申は、特別区の性格について、「住民に最も身近な地方公共団体であるという意味において」とする、法的位置づけを欠く極めて限定的な位置づけを前提に、基礎的な地方公共団体であると触れているだけです。答申の力点はむしろ後段にあり、大都市の一体性確保の見地を理由に、今後もなお特別地方公共団体であるとした点です。  区長は、普通地方公共団体と位置づけられなかった問題は、また、原孝文行政問題小委員長が、「地方自治法上の基礎的自治体とは意味合いが違ってくる、法律上の基礎的自治体は全く制約や枠がない、しかし、区の場合はそれとはニュアンスが違ったものになっている」と述べている問題についても、このパンフレットの表現が妥当かどうか、区民に過大評価を持たせることにならないか、ご答弁をいただきたいと思います。  第二の柱は、「千代田区の財政自主権の拡充を!」と題して、東京都区の新しい役割分担や事務分担に応じて、皆さんが納める税金を都と区の間で分け、区が自主的な財政運営ができる方向で改革すべきとしていますと解説しています。この点については、答申が、都の特別区との財源配分が中期的に安定的なものとなるよう定めるとしており、垂直調整について言明を避けたために、「廃止」するという解釈と、「残された」という見方があります。この点について区長の見解を伺いたいと思います。  第三の柱は、「身近な仕事は都から千代田区へ!」です。「ごみの収集・運搬や街づくりに必要な都市計画事務、小中学校や幼稚園の教材・教科書、教育課程の取り扱い、有害家庭用品や屋外広告物の規制など皆さんに身近な仕事が都から区へ移管されることになります。しかし、これらの仕事を千代田区に移管するには、清掃車の車庫の設置を初め課題も数多くあります」と説明しています。  答申は、清掃事業のうち、収集、運搬に関する事務事業の区への移管を、他の事務事業の区への移管と一括して実施すべきであると強調しています。清掃事業は収集、運搬だけでなく、焼却処理、埋め立て処分まで一体性、一貫性が求められており、清掃工場や車庫、処分場の偏在など現状においては区移管に伴う弊害の方が大きいという声もあります。長い歴史的経過を持つ清掃事業、ごみの収集、運搬問題の短期的な解決を制度改革の条件にすることは、都区制度改革を後方に押しやるものではないでしょうか。  それにしては、パンフレットで区の職員がごみを収集しているイラストは余りにも楽天的で、表現の問題とはいえ、千代田区は新しくなりますという、今にも実現しそうな誤解を与えるタイトルとともに、楽観的に過ぎるのではないでしょうか。  区長は、制度改革の困難性をどのように認識され、また、どうしたら解決する条件をつくることができるとお考えなのか、その存念をお聞かせください。  答申は、基本的な考え方において、本来、都区制度の改革を行う際には、特に人口減少等の著しい都心地域の特別区の再編成を初め周辺地域も合わせて特別区の区域の見直しを行う必要があると述べており、国勢調査の結果も間もなく出る、制度改革が実現しないうちに、都知事に発言権があるうちに千代田区が配置分合される危険もあるのではないでしょうか。その見通しを含め、お答えをいただきたいと思います。  第五に、定住対策の推進について質問いたします。  区長あいさつ、依命通達では、依然として業務機能の集中が著しく、それに伴う地価の高騰が居住機能を初め区民の生活環境を悪化、夜間人口は依然として減少の一途をたどり、区の存立を脅かしかねないとし、特に定住対策を急務としています。地価の高騰は、一九八五年東京圏から始まり、全国に波及してまた東京に戻ってきています。都心区千代田はその影響も激しくあらわれ、九月十九日発表の東京都基準地調査でも、都内基準地価格高位十位までのうち、住宅地では平米当たり一位三番町九番一が千二百五十万円、三位、六番町七番十九が、八百五万円、四位、平河町二丁目十五番十三が七百六十万円、五位、四番町二番五が六百七十八万円、商業地三位、有楽町一丁目七番三が三千五百万円、六位、大手町一丁目一番三が三千二百八十万円となっています。  東京からはじまった地価高騰の基本的原因は、さきに述べたように、政府と鈴木都政による東京改造政策、東京一極集中にあります。鈴木都知事は、都庁の新宿移転は東京改造の起爆剤と言いましたが、地価高騰の発火点でもあったのです。土地をぼろもうけの種に、大企業、銀行、大手不動産会社が地上屋を使い、土地投機を拡大しました。政府はこれを取り締まるどころか、民活政策であおりました。特に、この資金調達を可能にしたのが金融緩和政策で、一九八五年のプラザ合意で米国政府の要求により、日銀が大量のドル買い、市中銀行に円資金があふれ、財テク、土地投機の資金となったと、日経新聞のプラザ合意から五年の特集で詳しく述べられています。政府税調の小倉会長も、「地価高騰の主役は金融」と言っています。加害者は米国政府、日本政府、都政、大企業、銀行であり、被害者は都民から国民に広がり、特に千代田区民への影響は激しいと言えるでしょう。  前回定例会でも、定住対策として、土地税制への対応を求めました。十月三十日、政府税調の土地税制のあり方についての基本答申が発表されましたので、改めて質問致します。  固定資産税について、答申は、基準となる評価額を現在の公示価格の三割程度から段階的に引き上げるとしています。自治省は、今後十年間でこれを七割まで引き上げる方針です。特に、評価水準をその地域の収益価格のレベルに引き上げるため、千代田区のようなオフィスビルなどの林立する地域では大激増となります。  前回区長は、「特別区長会として近年における異常な地価高騰が直接課税標準に反映しないよう特に重点要望した」と答えられてました。しかし、税調答申の厳しい内容から見ると、生ぬるいのではないかと思います。緊急措置として、少なくとも来年の評価替えは凍結する、そして、中曽根民活の影響の余り出ていない一九八五年評価の水準に戻すよう要求していく、運動していく必要があると思います。この点について区長のご意見をお聞かせください。  相続税についても、答申は、前年の七月一日現在の評価時点を当年の一月一日にし、地価公示価格水準の七〇%程度であるものを引き上げていく方針です。これでは、もう大企業以外はとても千代田区には住み残れなくなります。区の対応を伺います。  新土地保有税について、前回は答申前でしたが、今回は答申の内容が明らかですので、明快な答弁をいただけると思います。  答申は、土地に寄生する大企業への課税強化をうたっていますが、実際は重要な問題を含んでいます。(1)住宅用地への適用除外、小規模店舗用地などに課税最低限を設けるとしても、地価高騰の千代田区では相当数の業者用地が対象となります。(2)肝心の大企業は損金歳入によって製品価格への上乗せ、新税実質負担の半減になる法人税減税の抱き合わせまで提言しています。これでは、ますます千代田区民はへる一方ではないでしょうか。区長の所見を伺います。  具体的な住宅対策としては、税制以外では言うまでもなく公共住宅の供給が重要です。国の住宅政策は持ち家制度、都は、さきにのべたとおり大変おくれた状況、質の面でも一九八八年住宅統計調査で見ると、借家家賃は日本一高い、最低居住水準未満世帯率一七・七%で、これも日本一悪い。持ち家制度四一・四%で一番低い、一住宅当たり延べ面積六〇・二七平米で一番狭い、居住水準ワーストワンです。  千代田区は、公共賃貸住宅戸数六百八戸で、けた違いの最少区、人口比で一・四%ですが、平均地価公示額で、千代田区千五百十五万円より高い千七百二十二万円の中央区が二千五百九十戸、四倍以上、人口比三・五六%です。この数字からも大変困難な課題ですが、区の責務は重いと思います。  区長は、国に持ち家制度から公共住宅建設率を諸外国並みに引き上げるよう転換を要求する。都営住宅の大量建設を求める、区内企業の遊休地の自治体先買い権を認めさせるなどの意志をお持ちかどうか伺います。  また昨年、三月の定例会で、住宅白書の提言をいたしましたが、基本計画との関係で検討されるとのことでした。ぜひ実現させていただきたいと思います。  公共住宅の収入基準につきましても、国や都に要請されるとのことでしたが、具体的な状況をお聞かせいただきたいと思います。  さて、最後に、障害者の社会参加と生活圏拡大を図る身体障害者福祉タクシー等について質問します。  まず、福祉タクシーですが、千代田区では対象が、例えば、身体障害者手帳の交付を受けている人で、下肢、体幹、内部障害の一、二級の人と視力障害者の一級の人となっていますが、他区ではそれぞれ三級、二級と対象を広げています。底肺の方から、坂道の多い千代田区で少し遠方の買い物など歩行が苦しい、福祉タクシー券が使えれば荷物を持っても用が足せる、対象を広げてほしいという声があります。障害者の方のこの要求にこたえていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  車いすのまま乗車できるリフトつきの福祉タクシー、あるいはリフトつきの貸し自動車、ハンディキャブの要求もあります。これは、車いす利用の方や寝たきりの高齢者、老人福祉手当受給者が病院や買い物に出かける、あるいは諸行事に参加するなど他区では広く利用されています。特に、リフトつき貸し自動車は、家族や知人、ボランティアが運転して三日程度利用でき、小旅行等も可能で需要が多いので、来年度拡充を予定している区もあります。運営は、区が自動車を所有する、レンタル契約を結んでいる、タクシー会社と契約している、社会福祉協議会や福祉団体に助成しているなど形態はさまざまですが、二十一区で実施しています。車いす利用の方で、入院が許されず、通院が必要で普通の自動車では大変苦痛だ、家族の方も苦労されており、千代田区でも実現を求められています。  国連の障害者の全面参加と平等の精神に沿い、障害者の方の社会参加を実現していく、あるいは、既に高齢社会に入っている当区の施策として意義あるものと思いますので、区長並びに関係理事者の積極的答弁をお願いし、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。    〔区長木村茂君登壇〕 19: ◯区長木村茂君) 福山議員のご質問にお答え申し上げます。  即位の礼及び大嘗祭についてのご質問でございますが、まず、即位の礼につきましては、現行日本国憲法の象徴天皇制の趣旨に沿い、なおかつ皇室の伝統等をも尊重して、国事行為としてとり行われたものと承知をいたしております。  また、大嘗祭につきましては、公的な皇室行事としてとり行われる運びとなっております。  いずれにいたしましても、即位の礼及び大嘗祭は、ともに国会における審議、内閣に設置されました即位の礼委員会における検討等慎重な論議を経て実施の運びになったものと承知をいたしておりますので、ご了承願います。  次に、国際平和協力に関する自衛隊派遣、職員派遣、あるいは新規立法の必要性についてのご質問でございますが、ヤルタ体制の終えん、ドイツ統一等国際情勢が激変し、新たな国際秩序が模索される中で、我が国が国際社会の一員として、世界の平和と安定のため貢献することが期待されておることも、また事実であります。  このような中で、平和憲法の理念のもと、いかなる貢献を果すかは、我が国にとって重要な課題であると認識をいたしております。  さきの臨時国会におきまして、政府提案の国連平和協力法案は、衆議院において審議未了廃案になりましたことはご案内のとおりであります。  いずれにいたしましても、私と致しましては、今後、国会等の場で十分な論議が行われ、国民的コンセンサスの得られる方策が検討されることを期待いたしておりますので、ご了承願います。  次に、国の来年度予算についてのご質問にお答え申し上げます。  まず、生活関連重点化枠にかかわる公共事業の拡大でありますが、これは国民生活に不可欠なもので、早急に整備が必要な下水道、住宅、道路、公園等に重点配分するものであり、現在、その編成作業を進めておるところだと聞き及んでおります。今後どのように自治体等に影響を与えるのか、その動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、各省庁の概算要求のうち、ご指摘の国民健康保険、老人医療並びに中小企業対策につきましては、いずれも区長会要望事項として取り上げ、その充実、改善等を強く国に働きかけておるところでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。  次に、低公害車の試験導入についてでありますが、用途が限定されるなどの問題点もありますので、検討課題として受けとめさせていただきたいと思います。  次に、東京都長期計画懇談会の最終報告についてでありますが、計画の体系は、これまでの計画と同様に、マイタウン東京構想を基礎としており、中でも東京都が緊急に取り組むべき施策を十の提案として大きく打ち出しております。  特に四つの緊急プランとして、当区においても重要課題である住宅施策の総合的展開が揚げられ、その内容には、中堅所得者層のファミリーが無理なく入居できる広さと家賃水準を持つ良質な賃貸住宅の供給を大幅に打ち出すほか、都有地について率先して公共施設に住宅を併設するなど、また、国の施設移転跡地や、国鉄清算事業団用地についても、住宅の整備のために利用できるよう、引き続き国などに働きかけていくべきだと考え方を明確にいたしております。  減少を続ける定住人口に歯どめをかけ、都心に人が住み続けられる住宅政策の具体化は、住民、企業、行政が三位一体となって、人の住むまち、住めるまちの実現に総力を挙げて取り組んでおる本区にとって大いに期待するところであります。  さらに、都心でのごみ減量問題を踏まえたリサイクル都市づくり、高齢化社会を展望した地域福祉の基盤づくり、また、駐車場対策など新たな、当区にとって重要課題に即した具体的方向性が示されておることについても評価すべきものとうけとめておるところでございます。今後、この長期計画懇談会報告をもとにした具体的な長期計画立案を期待するところであります。  次に、都庁舎の新宿移転についてでありますが、千代田区からの移転は残念とは思いますが、機能的には最新の機器の充実を含め、都民サービスの一層の向上につながるものと考えております。  なお、跡地の整備につきましては、国際フォーラムの建設を中心に地元活性化のため、早急な整備をさらに働きかけてまいりたいと存じます。
     また、臨海部副都心開発に関連したまちづくりの問題でございますが、言うまでもなく、都心機能の分散と業務地化の抑制を積極的に図り、居住機能を確保すべきとの視点に沿った開発であり、私といたしましては評価しておるところであります。ご了承いただきます。  次に、都区制度改革についてお答えいたします。  今回、第二十二次地方制度調査会において、都区制度改革に関する答申が出されましたことはご案内のとおりであります。特別区における制度改革につきましては長年の悲願であり、都を初め区長会議長会が一体となって取り組んでまいったところであり、今回の答申にこぎつけたものでございます。  答申の趣旨につきましては、過日、区民の方々に周知したところであり、内容によってはさらに明文化を期待するところもありますが、相対的には、より区民に身近な基礎的自治体に位置づけられた点、大きな前進と受けとめておるところでございます。  しかしながら、清掃問題等の関係者の意見調整や関係法令の改正など残された部分も多く、これらの点を踏まえ、今後区長会を初め検討組織を通じ対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。  なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁させます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 20: ◯企画部長(瀧見浩之君) 福山議員のご質問のうち、特別区制度改革につきまして、区長答弁を補足してお答えいたします。  区が作成したPRパンフレットの表現についてのお尋ねでございますが、総体的には今回出されました答申の趣旨及び内容をよりわかりやすく簡潔にまとめて編集したものであり、この点、区民の皆様方には十分ご理解を賜われるものと考えております。  第一の柱の、特別区の性格の部分につきましては、今回の答申内容が具体化した場合、これまでの特別区に関する特例措置の多くが撤廃されることなど都の内部的団体の性格が払拭され、基礎的自治体に明確に位置づけられたことや、都心の再編成問題の位置づけなどを客観的に述べたものであり、区民の過大評価にはならないものと考えております。  次に、財政自主権の拡充についてでございますが今回の答申による事務の配分に伴い、中期的に安定した都区間の財源配分を定めている点及び財源の総額補てん主義と納付金制度を廃止している点等から、実質的な垂直調整は廃止されたものと理解しております。しかしながら、具体的手続きにつきましては、今後の都区間の協議にゆだねられる部分が多いので、慎重に対処してまいる必要があろうかと存じております。  次に、事務移管についてのお尋ねでございますが、ごみの収集、運搬事務は、特別区を基礎的自治体に位置づけるための重要な要素と考えており、その意味で、今回の改革の実施について、当該事務事業の移管を含めて一括して実施すべきであるとしていることと理解しているところであります。  パンフレットにお示ししたとおり、この事務移譲については楽観視しているものではなく、清掃の車庫の設置を初めとして、解決に向けての諸課題があることは強く認識しているところでございます。  なお、清掃事業のうち、収集、運搬の事務の特別区への事務としての位置づけについては既に法定化されているところであり、住民に最も身近な事務として、今回の答申を踏まえ、必要な条件整備を図りながら、一日も早い移管決定が図られるべきものと、都区間での共通理解になっているところのものでございます。  いずれにいたしまして、今後、制度改革の具体化に向け、推進態勢としての特別区制度改革推進協議会及び都区制度の改革推進委員会が設置され、推進組織の強化が図られており、これらの中でなお一層の積極的な対応を図ってまいる考えでありますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。    〔総務部長小藪俊雄君登壇〕 21: ◯総務部長小藪俊雄君) 福山議員のご質問のうち、土地税制についてお答え致します。  ご質問の、土地税制の見直しに関する政府税制調査会の答申についてでございますが、固定資産税の評価額並びに相続税の路線価について、段階的に引き上げるよう、また、基準日を七月一日から一月一日に近づけるよう答申しておりますことはご指摘のとおりでございます。  しかしながら、今回の税制改正は、地価抑制の一環として検討されたものであり、また、この引き上げに伴い、税額の急増を避けるための負担調整措置の延長並びに税額の軽減措置の拡充も検討されていると聞き及んでおります。  また、新土地保有税についても、その設置目的が土地保有に対する負担の公平を確保し、土地の有利性を縮減することにあるとしております。しかしながら、居住用土地の原則非課税、小規模店舗用地等の一定の資産規模以下の土地保有については、課税対象から除外される等適用除外の特例措置も考慮されております。  このように、今回の政府税調答申は、土地に関する税負担の適正、公平の確保と地価抑制を目指したものであると理解しております。現在、土地税制の見直しについては、今後、各方面で幅広く論議がなされることと存じますが、現時点ではどのような結論になるか予測いたしかねるものがございます。  次に、固定資産税と相続税についてでございますが、この問題につきましては、さきに特別区長会として、異常な地価の高騰が直接課税標準に反映しないよう重点要望としたところでございますが、今後とも、引き続き国や都に対し要請して参りたいと存じますので、ご了承をお願い致します。  いずれにいたしましても、当区の土地高騰の現状を考えますと、土地税制が今後の地価動向や区民生活、区政に与える影響は大きく、これからも税制論議の行方を注視してまいりたいと存じますので、よろしくご了承のほどお願い致します。    〔福祉部長八田和之君登壇〕 22: ◯福祉部長八田和之君) 福山議員のご質問のうち、障害者の社会参加と生活圏拡大を図る心身障害者福祉タクシー等についてお答え申し上げます。  本区の障害者の実態は、高齢化や少数多様化が大きな特徴となってございます。現在、こうした障害者の方々が、住みなれた地域において、障害を持たない人と同様に社会参加や日常生活が営めるよう、本区の特性にあったきめ細かな対応に努めておるところであります。  既に、リフトつき自動車につきましては、現在、福祉バス四台はすべてリフトつきで運行しており、さらに障害者の方々みずからが利用できるよう、自動車を改造する場合についても費用の一部を助成しているところでございます。  ご提言の、福祉タクシー券の範囲の拡大についてでございますが、特に内部障害の方々の病状は多様で、個々の症状もさまざまでございます。こうした方々の個別のケースについて適正な基準を設定することは非常に困難な面がございますが、医療機関等の意見を伺いながら、現在、検討に入っているところでございます。  また、リフトつきタクシーの契約あるいは、リフトつき自動車の貸し出しにつきましては、当区における障害者の特性やニーズの方向性、多目的利用のあり方、さらには運営形態及び財政負担の検討、類似の福祉施策との整合性や公平性の観点など総合的に勘案しながら研究をしてまいりたいと存じております。今後とも本区の地域特性に合った障害者の在宅福祉の一層の充実に向け努力して参りたいと考えておりますので、ご了承のほどお願い申し上げます。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 23: ◯都市整備部長望月章司君) 福山議員のご質問のうち、住宅に関する部分についてお答え申し上げます。  まず、公共住宅の供給の促進についてでございますが、国におきましては、従来は公共住宅の供給と合わせて、住宅金融公庫等の融資などで、持ち家を中心とした住宅施策を展開してきたところでございます。しかしながら、昨今の異常なまでの地価の高騰により、大都市及びその周辺地域においては、中堅所得層までも自力での住宅取得が困難な状況となったことにより、本年六月の住宅宅地審議会の答申では、地価高騰の著しい大都市地域において、公共賃貸住宅の供給の強化策を講ずる必要があるとされ、また、本年度の建設省住宅局関係予算の主要施策の第一に、公的住宅の供給の推進が上げられるなど公共賃貸住宅の供給の推進に重点が置かれるようになってきたと考えられます。  また、東京都におきましては、都営住宅の計画的な供給、建てかえの促進とともに、新たな公共住宅の供給促進策といたしまして、住宅政策懇談会の提言に基づき、中堅所得層向けの借り上げ型都民住宅などの制度の検討が進められております。  千代田区におきましても、公共住宅の供給につきましては、住宅施策のかなめとして、従来より区立・区営住宅の建設、都営住宅の建てかえの促進と供給戸数の拡大、優良再開発建築物促進事業による公団住宅の供給など可能な限りの努力を続けてまいりました。  このたび、住宅基本計画策定委員会よりご報告をいただいて、早急に取り組むべき施策についての中でも、区民住宅供給促進制度、仮称でございますが、それの創設、区有地の有効活用による公共住宅用地の確保、区立住宅整備の推進の三つが、公共住宅供給のための方策として提言されております。これらにつきましては、早急かつ詳細な検討を加え、施策化に向けて取り組んでまいりたいと存じます。  公共住宅は、負担可能な範囲で入居できる適切な住宅規模と環境を備えた住宅として、低所得層だけでなく、中堅所得層を含めた幅広い層を対象として、今日その価値はますます大きくなっていると認識しております。今後とも、国、東京都との連携を一層深め、協働して公共住宅の供給の促進に鋭意努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、都営住宅の建設についてでございますが、区内にある都営住宅敷地の高度利用、さらに戸数増を図るための見地から、都に対し、かねてから都営住宅の建てかえ事業等を要請してきたところでございます。このたび、都営飯田町アパートの建てかえ事業に際し、都と協議を重ね、敷地の共同利用などにより、二十階建て、百十三戸の住宅が供給されたことはご案内のとおりでございます。また、都営四番町第二、第三アパートの建てかえに際しましても、都との協議を進めており、住環境の改善はもとより、できる限りの戸数増を目指しておりますが、既に計画が進行しているところでございます。  次に、区営住宅と公営住宅の収入基準に関してでございますが、ご指摘のとおり、収入基準は四人家族で約四百三十万円までと、大都市地域の収入実態とは掛け離れたものとなっております。この点につきましては、特別区長会を通じて国に対し、大都市の実態に即した収入基準の引き上げを要望いたしているところでございます。  また、これに関連いたしまして、公営住宅法によらない区立住宅の建設に対する財政援助など公共住宅供給方策の充実も要望しております。これらの点に関しましては、国への働きかけを一層強化していく考えでございます。  次に、遊休地の先買い制度については、現在、公有地の拡大の推進に関する法律があり、実施されているところでございますが、区が実施するには多額の財源が要するとともに、体制問題など多くの課題がございます。今後、本区の事情を勘案しながら、街づくり推進公社とも研究して参りたいと考えております。  次に、住宅白書につきましては、住宅施策を計画的に推進するため、大きな要素を持つものであると認識しており、住宅基本計画策定委員会におきましても、住宅基本計画の施策の一つとして十分に検討されるものと考えております。  なお、定住対策全般につきましては、住宅基本計画素案におきまして、公共住宅の供給方策を含めた幅広い住宅施策が示されるものと考えております。それらを受け、施策の実現に向けまして、全力を傾注して参りたいと存じますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。    〔教育長井澤一弘君登壇〕 24: ◯教育長井澤一弘君) 福山議員のご質問のうち、即位礼正殿の儀に際して、教育委員会から各学校に行った通知についてお答えいたします。  この通知は、平成二年十月十九日の即位礼正殿の儀当日における祝意奉表についての閣議決定を受けて、文部省初等中等教育局長から、東京都教育委員会を経由し、各区市町村教育委員会教育長あてなされた通知を、各小中学校長あてに送付したものでございます。  なお、ご即位に際し、祝意を表すことにつきましては、天皇は日本国及び日本国民統合の象徴という公的な存在であることからいたしまして、大切なことであると考えております。よろしく御了承のほどお願い申し上げます。 25: ◯二十七番(福山和夫君) 自席から再質問させていただきます。  即位の礼について、第一に、区長は伝統だというふうにお話しになりました。持統天皇ですか、あるいは天武天皇の時代に一時あったということはあるようですが、その後ほとんど継承されたという記録はないし、武家社会でもなかった、だからこそ、今、テレビで、「翔ぶが如く」ですか、あれでも出ているような状況の中で、伊藤博文が、これをまねるべきものがないということで、新しく考えなければならない、今まであった宗教上のものは中国のやり方のまねで、まずいというようなことも研究して、新たに決めたんですね、これが登極令です。これが、戦前の憲法下では、憲法に沿ったものとして二度やられたということなんですが、その程度と言っては失礼ですが、日本の伝統というものを、そのくらいのもので、区長はこれは日本の伝統だということでお認めになるのかどうか、もう一度伺いたいと思います。  それから、もう一つは、今の同じ件に関してですが、教育長の方から、国民統合の象徴だと、これは憲法で定められていることで、ただし、この憲法の基本は主権在民ですし、市民皆平等だということですが、この中で、象徴であるから、その方の即位を祝わなければならないということを、いろいろな考え方の方がある中で教育をするということについては問題があるんじゃないか、そのことについてご自分は祝いたいという方は、これはもちろんそれで結構ですけれども、例えば、宗教上の違う考え方を持っているかたも学校から言われてそれに従わなければならない、こういうことになりますと、大変大きな問題になる。教育する先生の側にもいろいろなお考えがあるはずですけど、それがやはりそういう形で、当然のように通知を受けてやることが正しいことかどうか、この点をもう一つ伺いたい。  それから、自衛隊の海外派遣についてですが、直接的なお答えが区長からいただけなかったように思うんですけれども、確かに世界の平和について日本が貢献すべきだ、これは、当然だと思うんです。ただ、その世界の期待という中身の問題だと思うんです。何を日本に世界平和について、その中で、他国から、世界の国の中から、自衛隊の派遣を期待された、こういう事実はどこの国であったんですか、このことをひとつ伺いたいと思います。なぜならば、多数のアジアの日本の侵略を受けた国々からは、逆にこのことについて大変心配する声が上がっています。また、アメリカでさえ、ニューヨークタイムズなどで、日本人はこのことについて平和の問題では大変賢い選択をするだろう、もし今度、自衛隊の海外派遣が決まるようであれば、その日を日本人は恨むことになるだろう、こういう論評まで出ているわけです。そういう意味で言うと、日本の自衛隊の海外派兵をどこかの国が期待している、こういう事実をお認めになっていらっしゃるのか、この点を伺いたい。  それから、もう一つ、都庁舎の移転が都民サービスの向上に資するものになる、このようにお答えになったかと思うんですが、今、あそこの都庁舎の移転で大変心配されているのは交通問題です。今でさえ何万という人が新宿の駅から西新宿のあの一帯は、もう超高層ビルが林立しているために隘れ返っている、警察も、今度、歩道などを拡幅される、大変お金が使われるようですが、それでも責任は持てない状況だ、こういう発言が出ているわけです。このような状況の中で、都民があの都庁に行っていろいろな仕事をしていただく、こういう意味で、なかなか困難が大きくなっているというのが一方の心配としてあるわけです。これが本当に、今の有楽町の都庁舎に比べて便利になる、都民のサービス向上になるという点がもう一つ見えないので、具体的にお答え願いたいと思います。  それから、土地制度の問題ですが、今度の土地税制について、おおむね地価を下げる、あるいは軽減措置などあって、区民に影響がそう多くないのではないかというようなご返事に受け取れました。ですから、区民に対する、本当に今度の固定資産税や相続税を引き上げて土地を放出させることが、この税制のねらいである、こういうことをはっきり国土庁の今度のこの審議に加わったメンバーは発言しているんです。ある意味で追い出し税になる、そのことが逆に大切なんだと、こういう発言さえも今度の税調の中では出された意見です。だから、この住民追い出しにもかかわりかねないということで、だからこそ私どもは、固定資産税や相続税の引き上げや、新土地保有税の新たな創設が、千代田の区民にとって大きな負担になるんじゃないか、そういう心配があるのでご質問申し上げたので、改めて、こういう土地を手放させるというような内容を含む税であるし、また、加えて言うならば、先程申し上げました日米構造協議の中でも、土地についての負担をもうちょっと高めると言う一項がアメリカに対する公約として設けられている。それはなぜかということになると、それをすれば、これはアメリカがあれですけど、多数の新たな建築がなされる、住民が入れかわって。そのことで、アメリカからの木材輸出、スーパー三〇一で問題にされていますけども、これが十四億ドルですか、この程度ふえるだろう、こういう見通しも含めて言われている内容で、これはまさしく住民を追い出して、建てかえを、再開発を促進するための税金にも成りかねないだろう、この点を踏まえてもう一度お答えを願いたいと思います。  それから、障害者のタクシー券、あるいはリフト券、タクシー券についてはご検討いただけるということなので、ぜひ他区の水準に千代田区のそういう施策が劣っている、こういうことがないようにしていただきたいと思うんです。これは同じ内容であっても、他の区の人に比べて、自分の住んでいる区に対する愛着ですとか、愛郷心の問題にも通じるもので、私はぜひその点はお守りいただきたい点だと思います。これは要望です。  それから、リフトつき自動車については、類似の施策もあるのではないか、その点も総合して見直す、検討されるということなんですが、現実調べて、千代田にこの辺にかわる施策があるんでしょうか、私は、二十三区の中で、必ずしも一種類のことを言っているんじゃないです。先ほど申し上げたように、タクシー会社でリフト車をつけているものもあれば、それからスーパーキャブというんですか、リフトつきのキャブをもっているのもある、さまざまな施策の中で総合してみると、このことが現実にやられている、障害者の車いすの方がこのことで助かっている、こういう現実があるので、これに答えるような類似する施策があるとはとても思えない、その辺もう一つはっきりお答えいただければと思いますので、よろしくお願いします。    〔区長木村茂君登壇〕 26: ◯区長木村茂君) 福山議員の再質問にお答えを申し上げます。  まず最初に、即位礼の件だと思いました。諸外国から来られた方は、大変荘厳で、厳粛で、華麗で、日本人の文化的な程度が非常に高いということ、皆さん感服をしてお帰りになったと私は思っております。やはり伝統行事であって、英国の王室は英国の王室並に戴冠式、オランダ、ベルギー、それからスウェーデンとかタイ国とか、みんなやはりその風土、歴史に根差したいろんな儀式があるわけで、日本も古来からのしきたりを重んじて即位式を行う、当時はまだまだこういう経済大国でないですから、今から比べれば簡素かもしれませんがやはりそのときの生活の度合いに応ずれば、応分の即位式を当時も行ったのではないかと思っております。  それから、国際平和協力について、自衛隊の派遣はどこの国から、私は余り承知をいたしておりません。これから国会の場で、国際平和協力のあり方について論議がまとまって行くのではないかと思っております。  三番目に、都庁舎の、なぜ移転したか、やはり、あそこにあれだけの敷地がまっさらでありますから、あそこの丸の内でやると二十年とか三十年、とっかえひっかえ、仮庁舎をつくったりなんか、そうすると、もう一気にOA機器が入らないということで、一気にあれを建ち上げた。したがって、行政の効率化とか都民へのサービスとか、そういう面では私は一応の評価はできるものだと思っております。ただ、国鉄の混雑、私も新聞で見ましたけれども、やはり地下鉄十二号線もあるし、また、今まで都庁へ行ったのが、逆に向こうから来るのもあるわけですからそこはやはりうまく私は対応していくものだと思っております。  それから、固定資産税は、あれは土地税制の方の審議会の中でそういう意見を述べた有力な委員もいたということで、カナダでもどこでも、大体一%が固定資産税、その一%は時価のということ、日本の場合は評価額が二〇%ないし三〇%で、それはもっと引き上げるべきだとか、もう時価のあれまで、実勢価格にもう少し寄せろと、こういうふうな意見があっただけで、土地税制の改革の方での意見で、固定資産税云々のあれじゃあないと思うんですけれども。  あと福祉の方は福祉部長から。    〔福祉部長八田和之君登壇〕 27: ◯福祉部長八田和之君) 福山議員の再質問にお答えいたします。  類似の福祉施策と申し上げたのは、これはリフトつき自動車の貸し出し以外にという意味ではなくて、高齢者等を含めた、いわゆる弱者対策として類似施策と、こういう意味で申し上げてございますので、その意味でまたご理解をいただきたいと思いますが、そういう総合的、あるいは多角的な検討の中でこれからも研究を行っていきたい、こういうことでございますのでよろしくお願いをいたします。    〔教育長井澤一弘君登壇〕 28: ◯教育長井澤一弘君) 福山議員の再質問にお答えいたします。  学校におきましては、常々国民の祝日などに国旗を掲揚し、祝意をあらわすことにつきましては、児童生徒に、国際社会に生きる日本人としての自覚そだてるうえで大切なことだということで実施しております。  今回の閣議決定、さらには休日に当たる法律というものが通知として参りましたので、私どもの方といたしましては、これを学校に通知をしたということでございます。  なお、一言言わしていただければ、憲法に言う主権在民は、我が国においては完全に国民の中に根づいているという判断を私どもしておりますので、当然象徴天皇の即位の礼を祝うことはよろしいんではないかというように私は判断したということでございます。 29: ◯議長水野正雄君) この際、会議時間を延長いたします。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    午後四時三十八分休憩    午後五時開議 30: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問を続けます。  公明党議員団を代表して、八番山田ながひで君。    〔山田ながひで君登壇〕 31: ◯八番(山田ながひで君) 平成二年第四回定例会に当たりまして、公明党議員団を代表して、三点にわたり質問させていただきます。  初めに、住宅対策についてお尋ねをいたします。  異常な高地価は、政府や行政当局の努力にもかかわらず、依然として続いております。さらに、最近になって、大手金融機関の相次ぐ不正融資事件が発覚し、その一部が地上げの投資資金として横流しし、厳しい社会的批判を浴びているところでありますが、こうした企業のモラルの低下、収益至上主義の風潮に強い怒りを覚えるものであります。高騰した地価による大きな打撃を受けているのは区民であり、庶民であります。区は、こうした状況にある住民にもっとも身近な自治体として、区民の側に立った、区民が住み続けられる施策を早急に実行していただきたいことを、まず強く要望しておきます。  先日、千代田区住宅基本計画策定委員会から、早急に取り組むべき住宅施策について区長に報告がなされました。現に転出を余儀なくされ、居住継続の困難となった区民が続出しているといった緊急事態に即応する必要があるため、平成三年度予算に反映させることが望まれる施策と、早急に取り組むべき住宅施策を取りまとめたものであるとしております。  しかし、残念ながら具体的に住宅が確保され、できるまではある一定の時間はどうしてもかかってしまいます。そこで、(2)高齢者向け住宅の促進の項で、立ち退きを要求されている世帯と家賃が高くて困っている世帯、いわゆる住宅困窮高齢者世帯に対しては家賃補助制度を実施し、高齢者アパートの借り上げやあっせん制度等区外に移転しないで済むよう万全の方策で対処していただきたいと思います。これは、区長が先程招集あいさつで述べられました喫緊の課題であります夜間人口の減少に歯どめをかける一歩になると思います。ご答弁をお願いいたします。  ある区民の方が、やむを得ず区外に移転せざるを得ない状況を嘆いていわく、「これは千代田区版の住宅難民のようだ」と言っておりました。自分の意思に反し、追われるように住みなれたまちを去らねばならない、特に高齢になればなるほど友人や近隣との人間関係が緊密な地域を離れ、慣れない地に移り住むことは大きな精神的な負担にもなり、切実なものがあると思います。  本来、区民がどこにどのように居住するかというのは大切な人権のひとつであると思います。ましてや住み続けられないような状況は異常としか言いようがありません。都心では地価が高いから不当な地上げが行われ、居住地域が放逐されているのが現状であります。高地価ゆえに高家賃となり、勤労者は居住することが困難となり、業務地域、オフィスだけが立地するようになってしまっております。また、都心では利用効率だけを追求した、ただ経済的に効率のいい密集した居住環境が生まれやすく、狭いところに住まなくてはなりません。  住宅及び住環境のあり方については、まず区民として望ましい経済力に見合った豊かな水準があってしかるべきであります。その意味からも、同報告を速やかに本気になって取り組んでいただくことを強く要望しておきたいと思います。  この報告と符合するように、東京都長期計画懇談会は、都の依頼を受け、来年度から十カ年で実施される新長期計画について調査検討を続けてきました。八日、その結果を取りまとめた報告書、新しい長期計画に盛り込むべき課題と具体的施策のあり方を発表いたしました。  報告書では、十年間に重点的に取り組むべき施策に四つの緊急プラン、六つの推進プランを上げ、二十一世紀の扉を開く十の提案として提出しております。  緊急プランでは、まず首都東京の深刻な課題である住宅を上げており、都民の強い期待に応えるためには従来の枠組みを超え、新しい手法を取り入れ、強力に推進するとし、十年間で三十五万戸の住宅供給を提案しております。1)国公有地の活用、公共施設との併設(合策)、既存住宅の建てかえなどによる公共住宅供給、2)多摩ニュータウンや臨海副都心などの大規模住宅開発、3)賃貸住宅地区整備促進事業や市街地再開発などまちづくりと連動した住宅供給、4)一定基準以上の規模を備えた民間住宅に利子補給などを行う優良民間賃貸住宅制度の創設、初めて住宅を取得する人などのための民間住宅建設融資斡旋制度の充実で、良好な民間住宅供給など具体的な目標値も明らかにしながら発表されております。  また、こうした住宅計画の推進に当たり、地域別の住宅供給や住環境整備のプログラムなどを示す住宅マスタープランの策定、都の支援により建設された良質民間住宅を登録し、都民に情報提供する住宅バンク(仮称)の創設を提唱しております。  また、第四の地域福祉の基盤づくりでは、高齢者住宅対策として、民間アパート借り上げ、斡旋住宅提供による家賃軽減策の導入を初めシルバーピアなどの建設を呼びかけております。  都は、この報告書を受けて、平成三年度から第三次長期計画を発表することになっておりますが、区は、この報告書について、千代田区住宅基本計画との関連や個々の課題についてどう反映させ、今後の施策化へどう取り組もうとしているのかお伺い致します。  次に、福祉問題についてお伺いいたします。  港区の特養ホーム白金の森を委員会で視察させていただきました。都心では初めてでしたが、家族などの訪問が一日平均二、三十人ということでした。これは入所しているお年寄りにとっても、また家族などにとっても大変ありがたいことであり、本来の福祉のあり方を示唆するものであると強く感じました。つまり、これからの福祉社会は、高齢者や障害者を隔離、除外するのではなく、それらの方々もともに働き暮らす地域社会をつくることが課題であると思います。  アメリカにおいて本年、障害者への一切の差別を禁止する米国障害者差別禁止法が成立しました。これは、すべての障害者などが主張してきた、いわゆる福祉のノーマライゼーションの理念を実現した見事な一例であります。  我が国においては、心身障害者対策基本法を初め幾つかの関係法がありますが、雇用を初めとして多くの分野での障害者に対する差別や福祉のおくれが依然として解消されておりません。区では、千代田区福祉環境整備要綱を本年策定し、街づくり方針の理念に基づき、障害者や高齢者などを含めた、千代田区に住み働き集うすべての人々が、区内の公共的性格を持つ施設を、安全かつ快適に利用できるようにするため、福祉環境の整備に関する基準を定め、施設の整備改善を進めることにより、区における福祉のまちづくりの推進を図っているところであります。しかし、我が国においては、障害者や高齢者が自由に移動できる空間はまだ限られております。  社会福祉は、すべての人が人間らしく生きる権利、自立した社会的人間として生きていく権利を持っているという考えに立って推進すべきものと考えます。安定した福祉社会は公的な責任による福祉サービスの提供と供給と、地域における連帯による相互扶助的な日常活動とが車の両輪となって初めて根づいたものになると思います。しかし、住民連帯を支える社会的基盤の形成は、区ではまだ未成熟であり、地域社会の福祉機能の弱体化が懸念されます。  進展する人口の高齢化、核家族化の進展、家庭機能の低下などの状況のもとで、多様化するニーズに対応するためには、保健、医療、福祉、さらには雇用、教育、住宅などさまざまな政策や制度を有機的に組み合わせながら、高齢化社会の進展などに伴う社会福祉需要の多様化、高度化への有効な対応及び生活水準の向上に沿うよう、新しい社会福祉体系の確立に取り組むべきであると考えます。すなわち、施設福祉の充実、在宅サービス態勢の確立を進めると同時に、区民が進んで地域の総合福祉づくりに取り組めるよう基盤の確立を図り、地域からの視点や発想による地域福祉の確立を目指すべきであると考えますが、この点についてのご見解をお伺いいたします。  三番目に、生涯教育についてお尋ねいたします。  二十一世紀に向けて、長寿化の進行、科学技術の急速な進展、余暇時間の増大、職業的生涯の長期化、高学歴化という条件のもとで、生涯にわたる学習機会のニーズが一層高まって来ています。まさに生涯学習時代の到来ということができます。私たちは、社会のすべての人々に学習の生涯的な機会を開き、人生、生活の変化、社会経済構造と職務内容、システムの絶えざる変化に対応できるよう、一人一人のライフステージに応じて、主体的、個性的な生活行動を可能とし、全員が主役となり得る多様な学習機会の確保を推進すべきであると考えます。そのためには、例えば、地域の多様な学習要求への体制整備、学校施設の地域への解放、知識偏重の学校教育から豊かな人間形成が図れる教育の推進、社会の原点とも言える家庭の心豊かな家庭教育の推進、国際化に関する学習の機会の提供、文化創造への主体的なかかわりと、余暇活動とスポーツの振興等々多岐にわたる施策の展開あるいは施設の整備、充実が必要となります。すなわち、生涯を通した能力開発、再開発、人間形成の可能な生涯学習システムの確立、そして自主的な学習意欲を根底において、だれでも、いつでも、どこでも、どこからでも学ぶことのできる生涯学習社会の建設を目指し、生涯学習施策の具現化、施設の整備など今後の区政にとって重要な課題であると考えますので、その取り組みについての基本姿勢についてお伺いいたします。  まず、全庁的な推進執行体制を早急に整備し、現在、各部各課で行われている施策の連携、ネットワーク化を図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。
     さらに、区民にとってわかりやすく、積極的に参加できるよう生涯学習の条件整備に早急に取り組むべきであると考えますが、この点についてもお答え願いたいと思います。  最後に、生涯学習が新長期総合計画にどう位置づけられ、区政で取り組まれるのかお尋ねし、明快な答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 32: ◯区長木村茂君) 山田ながひで議員のご質問にお答え申し上げます。  このほど東京都知事に提出されました東京都長期計画懇談会の最終報告の中に、直ちに取り組むべき課題として盛り込まれました四つの緊急プランの第一番目に、住宅政策の総合的展開が掲げられておりますことはご指摘のとおりでございます。このことは、住宅政策を現下の最重要課題と位置付けているものであり、地価の高騰などにより、住宅問題の深刻化した東京、とりわけコミュニティの崩壊の危機にある都心千代田区にとって大いに歓迎すべきものと評価するものであります。  この中では、国公有地の活用や公共施設との合築等により、公共住宅の建設を推進するのを初め、街づくりと連動した住宅供給、良好な民間住宅の供給等都が関与、支援して、今後十年間に三十五万戸の住宅を供給することを骨子にいたしております。  また、住宅計画の推進等の項目の中で、地域別の住宅供給や住環境整備の基本目標や、整備プログラムなどを示す住宅マスタープランの策定が取り上げられておりますが、このプランは、本区が現在策定調査に着手致しております住宅基本計画と密接な関係を有するものでありますので、今後十分な連携を図りながら策定作業を進めて参りたいと考えております。  この懇談会報告を受けて、早期に新長期計画が策定され、目標達成に向け諸施策が展開されることを期待するものであります。  次に、このほど本区の住宅基本計画策定委員会からご報告を受けました早急に取り組むべき住宅施策に対する具体的取り組みに関するご質問についてでございますが、お尋ねの住宅困窮高齢者世帯に対する家賃補助制度等の導入につきましては、他の住宅施策と合わせて速やかに検討を進め、実施可能なものから施策化を図るよう努めて参りますので、ご了承を願います。  次に、地域福祉についてのご質問でございますが、ご案内のように、本区におきましては、本格的な高齢社会を迎える中、高齢者や障害者を取り巻く社会環境は厳しく、かつ多面的に変化をいたしております。そのため、一番町総合公共施設建設を初めとする施設福祉と各種在宅福祉の充実を図り、ノーマイラゼーションの理念に基づいた多様なサービスの提供や、その質の向上に努めておるところでございます。  さらに、今後の社会情勢の変化に対応して、より充実した社会福祉を実現するためには、サービスの量的な拡大ばかりでなく、地域に生活する区民の参加と連帯をもとにした地域福祉の仕組みづくりが必要になっております。そのため、すべての人が住みなれた地域の中で、安心して生き生きと暮らすことができるよう、福祉と保健、医療との連携、在宅福祉と施設福祉の有機的連携、サービスのネットワーク化などの基本的な視点に立った総合的施策の展開を図り、地域福祉の推進に向けて努力してまいる所存でございます。  なお、他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁いたせます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 33: ◯企画部長(瀧見浩之君) 山田議員のご質問のうち、生涯学習についてお答えいたします。  近年、急激な社会情勢が変化する中で、区民が余暇時間を有効に活用し、活力ある社会を維持し、発展させるために、区民みずからが自発的意欲に基づき、生涯にわたって学習することが区民生活の中で定着してきております。そして、この情勢を踏まえた行政の対応と、施設整備などの条件整備が求められていることはご指摘のとおりでございます。  こうした状況のもとに、区としても施策の体系的な位置づけ及びその具体化について全庁的な取り組み、検討態勢の中で鋭意検討を進めているところでございます。  さらに、新長期総合計画の策定に当たっても、重要な課題として、十分生涯学習の位置づけ並びに施設の充実等について、より明確にしていくよう対処して参りたいと考えております。  また、区民を主体とした生涯学習社会に対応した各種グループ、サークルなどの自主的、主体的な文化活動や各種イベント活動等に対する支援態勢として、現在、(仮称)地域振興公社の設立も検討しているところであり、これらも含め関係部局と十分連携を図りながら積極的に取り組んで参りたいと考えておりますので、よろしくご了承のほどお願いいたします。 34: ◯議長水野正雄君) 次に、日本社会党区議団を代表して、十八番中村つねお君。    〔中村つねお君登壇〕 35: ◯十八番(中村つねお君) マンネリ化しているんではないかとずっと指摘されておりました区政懇談会も一通り終えました。神田公園地区では大変ユニークな質問が出たようであります。内神田住宅に川からネズミが上がってくるけれども、あれは東京都のネズミかという質問だったそうですが、参加者の席の後ろの方では、ネズミだけに中央区でないかと、こういう声が上がって周辺がどっとわき上がったようですが、私は、これをただの笑い話として聞きながらも、ただの笑い話ではなく、非常に行政に対する痛烈な皮肉ではないかというふうに受けとめております。今の置かれている千代田区政に対する一つの批判の声ではないかというふうにもとれるわけですが、質問に入らせていただきます。  第二十二次地方制度調査会の答申を読むとき、どうしても都心の再編成ということが気になります。どうせすぐに再編されることはないだろうからという気持ちでお茶を濁す気にはなれません。それと言うのも、国勢調査の速報が出された後、内外からの批判が大変厳しくなることが予想されるからです。人口減少に歯どめがかからないのではないかという声に、私たちは一体どう答えていくのでありましょうか。街づくり方針は確かに新しい発想をもって千代田区を活性化させようという点においては高く評価できますが、方針はあくまで理念であり、目指すべき都市像を示しているもので、具体的な方策ではありません。したがって、方針にある理念を単に口にしているだけでは、一向にまちづくりは進みません。方針は、その理念が各方面に徹底し、実効性ある施策が展開されたとき、初めてその役割を果したと言えると思います。  私は、千代田区政がかけ声ばかりが大きく、少しも人口減少に歯どめをかけられないでいるとき、区政への批判が高まるだけにとどまらず、何とか千代田区に残ろうと努力している人たちの間に失望感とあきらめのムードが充満してしまい、人口減少に拍車がかからないだろうかと心配しています。調査研究に時間を費やし、これといった成果が少なく、しかも、今後の具体的な施策を持ち合わせていないという千代田の現状を、区長、理事者はどう考えていらっしゃるのでありましょうか。  私は、千代田区を存続、発展させるためには、少なくとも三つの方法があると思います。住宅を増やすこと、これは当たり前のことです。二つ目に、先進的施策を内外に示し、その具体化を急ぐことです。三つ目に、千代田区を構成する、または千代田区を支えてくれるすべての人々との関係を強化すること、以上の三点です。別に特段目新しいことではありません。しかし、なかなかこのことができないのが今の千代田区です。    〔図表を提示〕  この図をちょっとごらんいただきたいと思います。これは一九八四年から八九年までの五年間に、千代田区の民有地の所有面積がどう変化したのかをグラフ化したものです。個人です。ずっと下がっております。逆に法人の所有が上がっております。当然反比例するわけですけども、これだけ五年間に民有地の所有状況が変わった、つまり、個人が法人によって駆遂されているという状況をはっきりと示していると思います。これは、公有地の払い下げが実際にありましたから、正確ではありません、多少の誤差はありますけども、傾向を把握するには十分だと思います。これを図形化しますとこうなります。つまり、一九八四年には、面積ですけども、個人が全体の三八・三%を占めていたのが、二六・三%、五年間でこれだけ変化しています。逆に法人は六一・七%から七三・七%へとふえております。人口減少が、直接的には企業による民有地の急速な買収に起因していることをこの図ははっきりと示していると思います。また、同じ五年間で、民有地を所有している法人が三百三十五社、一二・五%の増ですけれども。これだけ増えていることは、不動産業者の活発な動きと、新しく千代田区に進出した企業が相当数いることが、この数から読み取ることができます。  ところで、このグラフですけれども、これは、二十三区と千代田区の容積率の変化を示したものです。こちらが二十三区、ほとんど変わっておりません。千代田区、緩やかですけれども、相当上がっております。このグラフと民有地の法人の所有状況、この変化とかなり酷似しているとはっきりとわかると思います。  さらには、ぜひ千代田区の行政資料集をごらんいただきたいと思いますけれども、容積率のアップに伴って、地価公示価格の推移、ご覧いただきたいと思いますけども、傾向としてそっくりなんです。つまり、千代田区の容積率の高まりに沿って人口減少が進行していることがよくわかります。客積率のアップが即人口減少に結び付くとは断言できませんけれども、従来よく言われていた容積率がふえれば住宅が建てやすくなる、千代田区で容積率を高めて高度利用し、人口をふやそうという主張は、現時点では事実でなかったことを示していると考えます。単純に容積率をふやすだけでは、不動産を取り扱う関係者が喜ぶだけで、区政には何ら貢献をしない以上、慎重な態度で臨む必要が出てきます。容積率を高めるときには、住宅確保と人口増の見通しがなくてはなりません。  あわせてごらんいただきたいんですけれども、全体の傾向として、一九八三年に一万六千二百二十戸住宅がありました。これが八八年には一万四千五十戸と減っていますけれども、借地は余り変化ないです。ほとんど持ち家ということになっていた個人の住宅だと思いますけども、これが急激に減っているということです。この辺は研究に値するんではないかと思います。  いま少し、千代田区の人口事情を見てみます。一昨日、企画総務委員会に出された、「早急に取り組むべき住宅施策について」、その図表を見ますと、一九八五年から八九年まで、千代田区では年平均三百七十戸の住宅が建てられていますが、それにもかかわらず、毎年四百三十四戸の住宅が減少しています。一九八四年当初の住宅は一万六千二百二十戸、人口が五万九千六人、一九八八年の住宅は一万四千五十戸で、人口が五万一千七百八十四人ですから、五年間で住宅が二千百七十戸減り、人口が七千二百二十二人減っております。これはあくまでも登録人口です。  住宅統計をもとに一戸当たりの家族数を割り出しますと、二・八人ということになりますけれども、最近の人口と住宅数の関係で計算いたしますと、一戸当たりの家族数は約三・六人となります。年平均の人口減少数を計算しますと、大体最近では千六百六十人、これだけ減少しています。この毎年減っております千六百六十人の減少を食いとめるのに、一体どれだけの住宅が必要か、この計算をやってみました。極めて単純な計算でありますけれども、四百五十五戸です。つまり、現在の人口減少をストップさせるためには四百五十五戸、それから先ほど自然な形で、民間レベルで、あるいは都営、区営住宅なども含めまして、年平均三百七十戸の住宅が建設されておりますけども、これを加えますと八百二十五戸となります。八百二十五戸の住宅が建築されなければならないということです。これ以下では人口は減る一方です。もっとも、これは住宅登録をしないで住宅を事務所に使用しているものを無視していますから、必ずしも正確な数字ではありませんけれども、傾向としてははっきり言えると思います。少々単純化した言い方をすれば、毎年八百二十五戸の住宅が建築されても現状維持にすぎず、増加までには至らないということは推測することができます。  では、街づくり方針で言う五万人人口を確保するためにはどの程度の住宅をつくらなければいけないのか。現在のスケジュールでいけば、住宅基本計画が出来上がるのが一九九一年です。これが抽象的な内容ではなく、実効性のあるものが出されると考えても、計画に沿って実際に住宅ができ上がるのは、早くても三年後の一九九三年となると思います。そのころの人口は、このままで推移したとして、住宅が一万千七百九十五戸、人口は四万三千五十一人と予測できます。その差が約七千人で、住宅数としては千九百十八戸、これだけ必要ということになるわけですが、したがって、五万人人口を五年間で達成するという計算をいたしますと、一年間に千二百九戸、これが建てられなくてはならないということです。もし十年間で五万人人口を達成するということになれば、一年間に千百十七戸の住宅が建築されなければなりません。  以上のように、千代田区が本気で五万人人口を確保しようとするならば、広さは別にして、数だけで申し上げれば、千百から千二百戸の住宅を毎年建築できるような条件をつくり出していく必要があり、そうでなければ、幾ら理想論を述べたところで、現実の対応策にはなりません。このままの状態で推移すれば、千代田区の登録人口は間もなく四万人を割ってしまいます。もはや抽象論を振り回すだけでは済まない状況にあるのです。  私は、千代田区住宅基本計画策定委員会の早急に取り組むべき住宅施策についてを、一応目を通しました。ここに書かれていること自体は、従来の論議を整理したものとして評価します。しかし、残念ながら少しも研究提案としての役割を果していると思いません。提案されているものは、すべて今日までの都市整備部で検討課題とされていたものであり、具体的施策、具体的方策ではなく、これから急いで研究する課題として提案されているものにすぎないからです。この大事な時期に、また調査、研究かと、つい言わざるを得ないこの現実を、区長、理事者はどう考えておられるのか、先ほどから述べている住宅確保の具体策についてはどうなさるのか、具体的な形でお答えいただきたいと思います。  先日、ある方のアドバイスで、全国で五万人を割った市がどのくらいあるか調べてみました。その結果、全国六百五十五市のうち二百二十三が五万人を下回り、最も数が少ないのが北海道の歌志内市の、ことし十月末の人口八千五百四十八人です。これは相次ぐ炭鉱の廃鉱によるものです。これに見られるように、五万人を下回ったから直ちに市としての存在がなくなるとか、自治体の機能を喪失するということではありませんけれども、一般的には五万人を下回ると再編の声が上がってくるおそれはあります。既にあります。特に政府としても、都心のあり方については相当関心を持っているでしょうから、道州制のもくろみと相まって、今後、再編への検討が強まっていく危険性が増してくると考えておいた方がよいと思います。  いずれにしましても、千代田区の場合は、地方自治法の市の要件である五万人人口を単純な意味で問題にしているのではなく、都心の自治体として有効に機能するためには、五万人人口の確保が必要であり八万人人口に向けてさまざまな努力をするということですから、この目標に向けて、効果的な施策の展開が行われなければなりません。  住宅を確保する方法は少なくとも六つあると考えます。一つに規制の強化です。現在の制度では率直に言って難しい課題ですが、関係機関への働きかけを強める努力をしていくことが大切です。国土法で地価のコントロールはできても、不動産売買そのものを規制するまでには至りませんので、土地基本法の整備などによって自治体の権限強化を図っていくことが必要だと考えます。  二つには、公務員住宅の建てかえ促進、これは努力次第で可能性が広がります。  三つには、企業の社宅確保と敷地の有効活用です。これは協力金との兼ね合いが出てきます。  四つ目に、公共住宅の誘致と、区みずからの建築努力です。これには、入居基準について再検討を加え、幅広い区民が入居できる条件をつくることが大切です。千代田区の場合には中堅層への配慮が必要だと考えています。  五つ目に、住民主導型の再開発の促進です。現在の居住者が残れるようにするだけではなく、新しい住民が住める居住スペースを創出しなければ意味がありません。その点で言えば、神保町の再開発プランは大きな問題があります。住民が減ってしまうような再開発にどうして多額の補助金を出す必要があるのでしょうか。再開発に当たっては、現在の居住者の新たな収入増をもたらす必要があると思います。再開発に協力したのはよいが、借金だらけとか、再開発以前よりも生活条件が低下するようであれば、だれも協力する気にはなれません。  六つ目に、公共施設適正配置によって創出されるスペースの有効活用です。基本的には再開発の種地として、あるいは再開発の一時居住地などに使用し、売却は避けるべきです。中には、直接公共住宅を建築することがあるでしょうが、有料再開発誘導用地として活用する方が効果的だと思います。  以上の六点については、今、私が急に言い出したことではなく、従来、理事者と議会とが意見交換をしていたことをまとめたにすぎません。新たに課題提起したいものとしては、仮称でありますが、住宅管理公社と土地の先行取得体制があります。  (仮称)住宅管理公社は官民の住宅を管理し、住宅の売買をも受け持つことによって、住宅の事業所化を防ぐとともに、賃貸住宅の有利性を導き出す役割を果すことになります。長い目で見た場合、都心居住者にとっての住宅は、個人所有よりも賃貸の方が有利であろうと思いますので、将来は各方面から歓迎されるのではないかと考えるのです。  また、土地の先行取得については株式会社が必要であれば、早いうちに設立すべきです。例えば、一定地区の再開発計画が公になったとき、不動産業界が積極的に土地買収工作に入りますが、これをコントロールする機能がないために、結果的に不動産会社を利するとともに、よかろうと思って計画したことで、区民を減少させてしまいかねません。また、そのために再開発そのものが困難になることがあり得ます。区の目指す再開発をスムーズに進行させるためには、区が全額出資した法人が、時には不動産を先行取得し、必要に応じて住民の不動産管理を引き受けるなど当該地区の住民が引き続き住み続けられるようなバックアップ体制をつくるべきではないかと思うのです。  これらを真剣に考えるとき、どうしてもまちづくりの推進体制を強化する必要性が出てきます。本格的に組織整備を行い、区が持てる力を最大限発揮し、千代田区の活性化にむけた努力をする、そのことが今求められているのです。区長、理事者はこの点についてどう認識されておられるのか、ぜひ明らかにしていただきたいのです。  ところで、肝心の公共施設適正配置の検討状況ですが、なかなか検討懇談会内での現状認識と意見がかみ合っていないように見受けられます。中には、街づくり方針の理念を否定するような発言をされる学識者もいて、何のために検討懇談会を組織したのか、理事者はその趣旨をきちんと説明しているのだろうかと首をかしげたくなる場面もあります。また、調査委託会社から出されてくる資料等にも、現状に不適切なものが見られ、今回の委託先にはやや問題があるかなと感じております。区が所有する貴重な財産、人口対策の最後のとりでとも言われる公共施設、この適正配置によって再開発の関連用地を早急に生み出し、最大限に有効活用する、こうしてみずからの姿勢をしめしながらも、他にも協力を求める、そこで初めて周囲からの共感を得られる可能性が広がっていくということになるのでしょうが、ここでもたついていてはどうにもなりません。議会の検討経過を踏まえれば、公適配の方向は既に決まっているはずです。なぜ嫌々検討しているような雰囲気があるのか理解に苦しみます。  公共施設適正配置検討懇談会での意見交換の時間は驚くほど制約されています。実質的には小委員会での議論が中心となり、外からはその内容がなかなかわかりません。その割りには余り整理された小委員会報告が出されてこない、一体どうなっているのでありましょうか。もっとも、最近ではその点はやや改善されているようではあります。きれいな言葉を並べているだけでは、事態は一向に変わりません。一つの方向が出たとしても、具体化されるまでにあきられてしまうほどの時間がかかり、実現しないことすらあり得る今の千代田区ですから、この課題についても心配でしょうがありません。調査、研究だけが区の仕事ではないのです。今後どうなさろうとしているのか、この点についてはぜひトップのお考えをお聞きしたいと思います。  二つ目の、先進的施策を内外に示し、その具体化を急ぐことについても、千代田区では従来から前向きの論議が行われてきました。これについて無理にまとめてみますと、三つに分けられるのではないかと思います。まず、世界に開かれた施策を展開し、国際社会が千代田区を必要とする立場を確立することです。次に、質の高い芸術や文化と触れ合う機会の拡大によって、磨きのかかった千代田区をつくることです。三つ目に、歩いて楽しい回遊性のある商店街づくりです。  最初の、いわゆる国際化施策については、従来からさまざまな形で意見を申し上げておりますので、繰り返しません。これに関する具体的な施策を展開することによって、千代田区ならではの特性が際立ち、世界の千代田として全国の自治体をリードする存在となると考えますので、ぜひ期待申し上げたいと思います。  二番目の芸術と文化ですが、すぐれた作品に触れるにとどまらず、新しい都市文化創造のまちとしての条件を整備することが、まちづくり意識の向上によい影響を与えるだけでなく、いろいろな面で幅広い支援者をつくることにつながると思いますので、領域を超えて最大限のご努力をお願いしたいと思います。  三つ目の商店街づくりについては、現在、区において研究中ですので多くを語る必要がありません。どこでも同じようなものを売っているのでは、やがて消費者に飽きられてしまいます。それぞれの店が個性を持ちつつも、商店街全体として消費者を引きつける魅力を有することが大変重要です。商店主のかたがたがみずからこの具体化に努めることが基本ですけれども、区は、国際化と文化的視点とを有機的に結合させて、商業活動活性化のために側面からの支援体制を強化することが大切だと思います。  千代田区を構成する、または千代田を支えてくれるすべての人々との関係を強化するという点については四点考えられます。  一つは、区民、企業、区内で働く人々、学ぶ人々、大学などの教育機関、国、都などの公的機関との関係を強めることです。現在、千代田区は全国的にも珍しい形態である街づくり懇談会をつくり、貴重な経験をしておりますが、ハード面だけではなく、幅広い意見交換や共同研究を分野別に行うなど今までの経験をさらに発展させる試みがあってもよいのではないか、それが結果的に千代田区を応援する人々の輪を広げて行くのではないかと思うのです。  二つ目に、千代田区の存在意義を高めてくれる文化活動団体や個人との関係を深めることです。演劇集団や音楽、建築、絵画、彫刻、文学などのサークルや個人が、区内で活動しやすい条件をつくることは、「パリ」というところまではいかなくても、千代田区の存在を大きく引き立ててくれると思いますし、区民全体の文化意識、センスの向上という点で大変大きなメリットがあるばかりか、それは千代田区の新しい魅力となると思います。  三つ目に、諸外国との交流を深め、世界の千代田としての存在を高めることは、先ほど申し上げ、重複いたしますので、これは繰り返しません。  四点目としては、国内の姉妹都市提携を結んだ自治体の都心での活動を援助することです。例えば、嬬恋村や五城目町のお子さんが都心の大学に入学したとき、宿舎を提供するなどさまざまなお手伝いをすることは、長い目で見たとき、千代田区にとっては大きなメリットが生まれて来ると思いますし、せっかく提携をしたんですから、特段のメリットがなくてもそのぐらいの協力はしてもよいのではないかと思うのです。  これらは、私が思いついたものを上げたのにすぎません。理事者間で検討されればもっと内容の濃いものへと整理されていくと思います。  ある方が、何とか都心に居住するブームを起こせないだろうかと言われていたことを思い出します。不動産業界や建築業界へ働きかける必要があるとも話されていました。これはかなり重要なことだと思いますので、こうした働きかけはぜひやってほしいと考えます。一時的なブームにとどまらず、都心に住むことを一つの価値観として定着させるためにどうするのか、なぜ千代田区に住むのか、住む必要があるのかということと大変密接な関係にあるからであります。このことについて、私は今まで何度も理事者に問い、意見を申し上げてまいりましたが、残念ながら、まだなるほどと言える内容でのお答えをいただいておりません。  私の意見を要約して申し上げれば、一つには情報という点です。千代田区にはありとあらゆる情報が集中、集積している、多面的と言うか、多様性を持ったまちであり、住民が減少すれば、その多様性の一角が崩れ、まちとしての機能に厚みがなくなり、情報が偏ってしまう。また、都心で活動することによって情報の発信者となることができる、これが一つの理由だと思っています。  二つ目に、優位性と言う点です。都心に住むことが精神的、物理的に優位性を持てるということになります。時間の有効活用、信用、文化との接触などがこれに当たります。  三つ目に、周辺への影響です。都心の居住者を確保することが、周辺自治体の荒廃を食いとめることにつながる。大まかに申し上げて以上の三点に整理できるのではないかと考えます。  いずれにしましても、現在ある千代田区の魅力に新たな魅力を加え、磨き上げることによって千代田区政の存在は無視できなくなって行くと思いますし、そのためにどうするかについては、私の意見は先ほど申し上げました。これらのことにつきまして、区長、理事者はどう考え、どうなさろうとしていらっしゃるのか、抽象的ではなく具体的な形でぜひ明らかにしていただきたいと思います。  今、千代田区は人口問題に大変苦しんでいます。ともすれば調査研究に時間を費やしてしまいそうな傾向も見られます。しかし、逃げてはいけません。私は可能性があると思います。ところどころに千代田区を活性化させようという真剣な姿勢が見られるからです。ただ残念ながら、まだ全体のものにはなっていません。この苦しみを消滅に向かってのあえぎではなく生みの苦しみとしてとらえ、区が総力を挙げて諸課題に取り組まれることを期待しつつ質問を終わります。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 36: ◯区長木村茂君) 中村つねお議員のご質問にお答えいたします。  まず、定住人口の確保と住宅供給方策についてでございますが、ご指摘のとおり、依然人口減少の傾向が続いており、また、高地価を反映した住宅価格の高騰の中で、本区における住宅事情はまことに厳しい現実に直面致しております。特に豊かで温もりのある地域社会を構築して行くためにも、良質な住宅の供給と住みよい住環境の整備こそが、区政を挙げて今こそ取り組むべき緊急の課題であると強く認識いたしておるところであります。  このような区政のおかれている状況を十分に踏まえ、街づくり方針の示す都市像である、多様な人々が住み活動する生活都心を具現化するためには、その基盤となる住宅の確保策を確立し、諸施策の総合的かつ計画的な推進が重要であり、かつ急がれるところであります。  現在、住宅基本計画策定委員会におきまして、これからの本区の住宅政策のベースとなる住宅基本計画を策定するため、専門的な見地から多面にわたる検討と活発な論議が進められておるところであります。  このたび、十一月六日に早急に取り組むべき住宅施策について御報告をいただきました。ご提言の、区民住宅供給促進制度の創設など五つの事項につきましては、居住継続が困難となっている緊急事態に即応すべき施策として示されたものでありますので、十分その趣旨を踏まえ、詳細なる検討を加え、施策化を図るべく努力してまいる所存でございます。  なお、最終素案の策定は、来年できるだけ早期に御報告をいただき、区としての住宅基本計画の策定へと作業を進めてまいります。  一方、国におきましては、法に基づく新しい住宅供給制度の仕組みや都市計画法等の関連法令を改正し、大都市都心部に対する住宅供給等の新たな方策も施行される運びとなり、また、東京都においては、住宅マスタープランの策定に向けて準備に入っております。今後ともこれらの動向も充分に勘案しつつ、国、東京都などの関係機関との連携を深め、現在検討いただいている住宅基本計画をもとに明確なる目標を定めるとともに、その達成に向けて、具体的かつ実効性ある施策の推進に全力を傾注してまいります。  また、まちづくりの推進、なかんずく住宅政策の広範な展開のためには、組織整備につきましても充分に意を用いるべきことと認識いたしておりますので、この点もあわせて検討してまいりますので、ご了承のほどお願いいたします。  つぎに公共施設適正配置についてのご質問でございますが、本年一月、三十名から成る千代田区公共施設適正配置検討懇談会を発足させ、今後、本区にとって新たに必要とする公共施設について、今後の公共施設のあり方と、その適正配置についてを諮問いたし、広範にわたり、枠にとらわれない幅広い審議を精力的にお願いしておるところでございます。  これまで全体会と小委員会を通じ、活発な論議がなされ、現在、総論部分の集約の作業に入っていると報告を受けております。さらに今後、区民からの意見を幅広く聞きながら、各論の検討を精力的に審議していただき、来年五月ごろに最終答申を提出いただくことをご期待しておるところであります。  この懇談会の結論をもとに、また、区議会での検討経過を踏まえまして、緊急に取り組むべきものについては速やかに事業展開を図るとともに、現在準備を進めております新長期総合計画の中に反映させ、千代田区の目指す基本的課題を実現する一つの手段として積極的に対処してまいる所存でありますので、ご了承お願い致します。  次に、先進的な施策の提起と具体化についてのお尋ねでありますが、今日の危機的状態の中で、千代田区が千代田区として存続する為には、千代田区政が全国に先駆ける施策を積極的に展開することにより、内外に自治体としての存在を明確にする必要があることは、まさにご指摘のとおりでございます。  それは一つには、国際化を通じての世界に向けての施策展開であります。国際化施策の総合的展開については、国際化施策検討委員会の検討経過を踏まえつつ、積極的に取り組んでおるところでございます。  二つには、広い意味での文化の視点から、行政施策をいま一度見直し、居住と職域の調和した文化の香り高いまちづくりを実現することであります。これはまた、千代田区に集い、働き、学ぶ人々、まちに来られる人にとっても魅力ある地域づくりを進めることにつながります。また、このことが、千代田区存続と発展についての理解者を広げることにもつながることは疑いのないところであり、今後、さらに都心文化進展に向けた条件整備に努めて参ります。  また、商店街の活性化問題につきましては、現在策定中の商工振興方針を踏まえ、支援体制の強化に対処してまいりたいと存じます。  次に、千代田区を支えるすべての人々の関係の強化についてでありますが、ご指摘の四点のご意見につきましては、傾聴すべき貴重なものと受けとめるところでありますので、今後十分検討をさせていただきたいと存じます。次に、千代田区の魅力と優位性についてのお尋ねでございますが、都心区千代田としての魅力、いわゆる情報都心、都心居住の優位性、周辺自治体への諸影響につきましては、理解をともにいたすところでございます。  人が住み、快適な居住環境を維持し、安らぎと潤い、さらに活気のあるまちの実現を目指すことが、区政の最重要課題であることは申し上げるまでもございません。その上で、都心区としての魅力、すなわち情報が集積している点を最大限に生かすこと、さらに、都心区千代田区に居住することによって、物心両面で他区にない優位性を保てること、これらを踏まえ、千代田区に住むという最大の魅力と効果を生むものと確信しておるところでございますので、今後ご趣旨を踏まえ、対処してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。  なお、詳細につきましては、関係理事者をもって答弁いたさせます。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 37: ◯都市整備部長望月章司君) 中村議員のご質問のうち、都市整備部に関する部分について、区長答弁を補足してお答え申し上げます。  ご指摘のとおり、本区の定住人口は、近年の異常な地価の高騰、業務地化の進行の中で減少の一途をたどり、特に近年の転出人口の増加による社会減がその最大の要因となっております。ただいま指標等を用いて住宅事情の御指摘をちょうだいいたしましたが、私どもも厳粛に受けとめております。  この状況の中で、人の住むまち住めるまちの実現に向けて、特に住宅を確保する方策として、今までご審議をいただいた事項について、六点にわたってお示しいただきましたが、私どもはこの考え方に沿って施策の推進に取り組んでまいりました。区といたしましては、人口減少に歯どめをかけ、さらに新しい住民層を受け入れるため、具体的かつ実効性ある施策を推進していくことが、今強く求められているという状況の中で、広範にわたる住宅施策を立案するため、住宅基本計画の策定を期して、本年五月、住宅計画査定委員会を設置したところでございます。  このたび、住宅基本策定委員会よりご報告をいただいた区民住宅供給制度など緊急に取り組むべき五つの施策につきましては、直ちに詳細な検討に入り、実施可能なものから施策化を図るべく鋭意努めて参ります。  また、平成三年のできるだけ早期に、住宅基本計画の素案の御報告をいただく予定でございますが、その中で確保すべき住宅戸数を初め住宅の供給方策、経済的支援方策、住環境の保全、改善方策及び計画的推進方策などについてご提言をいただき、これらに基づき議会のご審議をいただきながら、早急に施策化を図ってまいりたいと考えております。  なお、本計画は千代田区としての住宅施策の基本となる計画でありますが、あわせて大都市新法に基づく住宅供給制度により、地方自治体が策定することとなる住宅基本計画の性格を有するものでもございます。この計画をもとに、そこに定められた住宅供給量やその達成のための手段である具体的な施策を国及び東京都との連携のもとに計画的に推進していくことでございます。  次に、ご指摘のとおりの魅力ある都心の形成につきましては、街づくり方針の示す都市像を構築するためにも極めて重要なことであり、また、都心千代田区の持つ優位性をフルに活用し、新たな魅力を加えていくことこそ、基礎的自治体としての基盤の強化に重要な意味を有するものであると考えております。したがいまして、都心に住むことの一つの価値観として定着させるうえでの明確なる論拠を持つことはご指摘のとおりでございますし、住宅基本計画策定委員会のご論議等もいただいて整理し、明確にしてまいりたいと考えております。  また、本区といたしましては、主体的に住宅施策を進めるとともに、法制度の改善等に関し、国や東京都に要請するとともに、広く施策のメニューの拡充につきましても努力を続けてきたところでございます。  このたび、区議会とともに審議を進めてまいりました都心居住に関する法制度の整備改善につきましては、このたび大都市新法ならびに都市計画法等関係法令の一部改正が、このたび十一月二十日に施行される運びとなりました。特に、都心部の住商混在地域に住機能を確保して行くための施策として、用途別容積型地区計画制度などの導入が制度化されたところでございます。また、東京都におきましても、住宅マスタープランの策定に向けて準備が進められているところであります。今後とも、これらの動向を踏まえ、国、東京都など関係機関との連携をさらに強めるとともに、住民、企業、行政の三位一体によるまちづくりを進める中で、具体的な施策の推進に全力を傾注してまいりますのでご了承願いたいと存じます。  次に、仮称住宅管理公社と土地の先行取得の体制についてお答え申し上げます。  まず、官民の住宅を監理し、住宅の売買を受け持つ住宅管理公社についてでございますが、官の部分については、住宅として継続的使用がなされているところではありますが、民の部分については、ご指摘のとおり、せっかく住宅として建設されたものが事務所化したり、地上げ等により、その後の開発において事務所化しているのが実情でございます。しかしながら、現在、民間住宅は私的財に位置づけられ、その売買はオープンマーケットが形成されており、一元的に管理することは非常に難しい面があるのも事実でございます。  こうした状況を改善する一助として、さらには負担可能な家賃で公的賃貸住宅として提供するため、民間住宅を借り上げ、これを賃貸するという各機関からの提言もあり、現在、区において検討を進めているところでございます。  ただいまご提言をいただきました都心の中での住宅確保のための方策につきましては、貴重な内容でございますので、事務所化を防止するための管理基準の検討とともに、関係部署と連携し、研究させていただきたいと存じます。  次に、土地の先行取得体制についてでございますが、街づくり推進公社の事業として、まちづくりに必要な用地の先行取得があり、検討課題として取り組んでおるところでございますが、用地取得には相当の財源を必要とし、対応し切れないのが現状でございます。また、制度としてはいわゆる公拡法による土地開発公社がありますが、対象区域に限定があり、十分機能しにくい面がございます。  そこで、ご提案いただきました株式会社方式は、将来の土地及び開発の動向を考慮し、さらに三位一体のまちづくりを推進するためには有効に機能し得る可能性がある方式と考えられます。  いずれにいたしましても、用地取得には巨額な資金が必要でございますが、財源対策の面で非常に困難な問題を抱えておりますけれども、本区の実情に照らし、十分に検討して参りたいと存じておりますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。
    38: ◯十八番(中村つねお君) 自席から再質問させていただきます。  きょう、各派の代表質問をいただいて、答弁をいただいたんですが、多分、そのご答弁をいただいて、ほとんどの方が虚しく感じているんではないかと思いますけれども、やっぱり全体の傾向としては、調査、研究、もう一つ加わりましたが、検討ということになるんですね、いいんですよ、調査、研究、検討、重要なんです。しかし、この間のずっと経過を見てますと、幅広い専門家や区民の声を聞こうということで審議会がつくられます。ところが、現実にはこれが時間ばかり食っちゃっていいものが出てこないんです。悪い言い方をすれば、ひょっとして時間延ばしにというふうに声が出てくるんじゃないかという心配が出るぐらいな状況になっている。ですから、最近の区の状況は、審議会をつくる、研究会をつくる、検討会をつくるというと、また延びるのかということになるんですが、例えば、先ほども申し上げましたが、この早急に取り組むべき住宅施策について、これは、ほとんどこの内容は都市整備部で従来主張されていたあるいは議会と理事者のやりとりの中で発想があったんです。それを単にまとめたにすぎないんです。どこが緊急なんですか。この後また調査研究なんですよ。これが緊急なら、緊急じゃないやつはどうなっちゃうんだろうと思うんです。まとめはどうなるかというふうに心配せざるを得ないような状況なんです。例えば、先ほどの区長の答弁でも、これらのいろいろな論議、こういう計画についても長計に反映させましょうと。これだってそうですよ。ずっとこの間ご答弁いただいていると、長計、長計とおっしゃるけれども、基本構想なのか基本計画なのかはっきりしない、これは混同されています。違うんですよ。一括長計、長計と言っているからわからないんですね。基本構想のことであれば、これについては従来の積み上げがあるんだし、整理すれば基本的な方向は出るはずなんです。住宅基本計画や何やら計画されていますけれども、眺望方針もそうですし、都市景観方針もそうですけれども、これなんか出たって、まとめるのは長計じゃないんです。基本的な方針を示すのが構想なんですね。そして、それを具体的にどう十年間でやっていくかというのが基本計画なんです。ところが、ずっと答弁を聞いていますと、それぞれ研究したものを積み上げて長計に反映させて組み立てましょうという話、しかも何年もかかる、もう一回同じような調査をやりましょうと、また調査なんですよ。これが、今現実なんですよ。これでいいものができるはずがない。  先ほど自民党の代表質問で、いま必要なのは行動とか実践とかおっしゃっていましたけれども、理念もいいですけれども、大きな理念はもう基本的に整理されているはずなんです。なぜ実践できないのか、あるいは、具体的に実践できるような内容が打ち出されないのか、もっと申し上げれば、じゃ、この住宅基本計画について年間千百から千二百、千百前後の住宅が建てられるという具体的な施策が出せるというふうに保証していただけるのかどうか、そう受けとめていいのかどうか。それらの点についてどうお考えになっているのか、もう一度お尋ねしたいと思います。    〔区長木村茂君登壇〕 39: ◯区長木村茂君) 中村議員の再質問にお答えをいたします。  一応基本構想は、新しい長期総合計画は平成五年度から平成十四年まで、西暦で言えば二〇〇二年までの十年間、将来展望をもって千代田区はこういうふうなまちにしていく、簡単な絵じゃないんですけれども、よく設計を頼むときに絵をかきますね、あれが構想で、それは区民に見せれば大体こういうふうなことを考えているのか、基本設計は基本計画であり、実施設計は実施三カ月計画とか、実際に単年度でやれば、それにまた手直しをして、この階段はうまくないからこうやるとか、そういうふうな形で、長期計画は十年に一遍ということで今までずっときていますので二十一世紀を展望して千代田区政はどうあるべきかと、これは十一月一日に課長級を十六人、それから係長、一般職員を三十四名、それでプロジェクトチームをつくって、一週間に二回ぐらいずつ、火、木、九段の社会教育会館でそれは先を見て、当面は住宅基本計画については、一応前倒しを図るということで、緊急に来年度の予算に乗せて施策化を図るものについてご提言をいただきたいということで、それについては相当、小嶋勝衛会長さん外、二時間の審議時間を三時間半ぐらい延ばして(「やっぱり延ばしている」と呼ぶ者あり)いや、中身の濃い審議を経て、今回、十一月の六日に中間のまとめとしての答申がなされたんです。これは施策化ができれば平成三年度予算に計上して、調査したり研究したりする中で、やはり行政は区民の信頼性がないとだめですから、やはり、区民の理解、協力を得るためのいろんなアンケート調査とか、いろんなことも他方面ではやって、それが施策に移しかえられたときに実効性がきちっと持たれる、責任を持つ、こういうふうなことも考えながら同時並行的にやっているものですから、若干まどろっこしいというふうなお考えもお持ちかもしれませんが、都市整備部ばかりでなく、全庁挙げて、今、この問題に取り組んでおるところでございます。よろしくご了承のほどお願いいたします。 40: ◯議長水野正雄君) 以上で、各会派の代表質問を終わります。  お諮りいたします。本日はこの程度をもって延会いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定致しました。  継続会は十一月十六日午後一時から開会いたします。ただいまご出席の方には文書をもってご通知いたしませんからさようご了承願います。  本日はこれをもって延会いたします。    午後六時十八分散会      会議録署名員        議 長  水 野 正 雄        副議長  菅 沢   林        議 員  山田ゆうじろう        議 員  山田 ながひで 発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...